「木識・木学」工芸木の内科木工

「薩摩烏賊餌木之研究」 続考-3  名木「クサギ」の逆放射肥大「向芯髄線」と偏光反射・微発光、辺材目詰み木理・抗体色素の外側集積異形Sexy 木の内科 – 43

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

多くの木取りモデルが揃い、隨芯を取り込んだ斜方カット面が鮮明に樹体構造と際立った性質を語ります。月光海水中で遊泳する白焼き胴体が偏光反射し、輝度を保持。微光が烏賊を誘引することが明らかになります。

空気に曝され、薄暗がりで発色する樹種材面は広葉樹に数例あり、発光生物が多い深海と共通して地表の立ち木にも見られることは不思議です。まだ数例ですが関心領域の一つ。

クサギ隨芯木取り 「隨 を腹に通し」彫上げたベストモデル N0.56

 

内皮から芯央へ向かう「髄線。放射状組織ではなく、倒れまいとする差し筋。教科とは逆の水平向芯成長。

内皮から芯央・隨に向かって成長し、「逆放射向芯毛細細胞」というべき動きです。倒れまいとする樹幹には、内皮から水平耐力を補強するように成長肥大する様子が判ります。現在まで、専門教科では、放射組織「射出髄線 Ray」と教えてきました。腹部中央に「隨芯」が入り、まるで臓器胎内が見えているかのようです。髄を器官に見立て。羽植え込みの跡が並び、面取りには勢いがあり、鋭利な刃先で冴えた削り。練達、卓越の一本づくりです。

輝度・偏光反射する公差木理・巧妙な撰材

   

異方成長・交互に肥大する年輪層の偏光縞反射

春期成長と秋期成長肥大方向が逆の木目は、拮抗背反して折れ曲がりに抵抗できる樹幹組織となり、立ち木は自力で体内に拮抗する応力、風倒抗力をつくりだしています。細胞繊維組織の成長方向がちがうと切断面は偏光反射を起こします。

斜面の曲がり木は、倒れない様に抵抗応力を発揮してアテ材をつくりだしますので縮み杢ができ模様のように見え、光沢縞目ができ、盛り上がる甲紋が現れます。

内皮下層辺材に年輪目詰み、抗体色素が集積する逆肥大構造 

空木の隨芯を形成し、桐のような草本に近い芯央部。初期成長肥大が大きく、一般の樹種とは逆に樹皮近くの辺材部に色素が集まり、木理がはっきり顕れる特異な樹体です。

「辺材赤身」専門知識が覆る樹体内相

芯材部から内皮近縁への抗体色素移行は、ダメージ損傷への反応、ガードや治癒が素速くできるための進化と考えます。この色素が濃い年輪層をいかして削り出し、モデルの背・腰部の魅力なイメージを高め造りこんでいます。ボデイコンシャス、盛り上がり・ムクリは、妖しい肉感的な雰囲気を与え、むしろ人間のほうがうっとりヨロリでしょう。芯央芯材は、無地ブランクや空木、肥大目粗もあり、単純に赤身だけではありません。倒れまいとして補強したり、成長変化で木目ができ。固有の構造体や適応した姿を造りだしています。

昨年、植物色素「紅花」には蛍光成分が含まれているというスペクトル解析がTV番組で紹介されました。樹木にも光る半生材もあり、生物材料の奥深さを感じさせます。

 

ⓒ2018 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2018   「月光海中・うす暗がりで光る樹木」「クサギ特異な木目構造と逆成長肥大の偏光反射、輝度発光性質」 「辺材部目詰み年輪層の色素集積木理と際立たせる彫刻造形」

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