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木香・微細物質の放散度が高い古代槍鉋刃削り|はじめて木目を観たのが一万年前、切削技術や分析機器の発達で自然素材のミクロが見えるハイテク時代に温故斬新|木の生命維持力、除菌・抗体・治癒物質がもつキュア・メディカル作用に気づき、体の自然をとりもどそう|全く新しい仕事を生み出す可能性がある古い道具、技術も引き連れながら |ハンドツールジャパン- 32

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

切削刃物や仕上げ面精度による木香・微細物質放散度の違い、艶・平滑度・テクスチャーのグレードや特徴を明らかに。

 安全で身近だった木材は、太古の手道具からはじまり、建築構造物を造りました。休息・安眠・遮蔽・格納のための家具になり、生命維持の微細放散物質やその抗体・除菌作用を活かして発酵バイオテクノロジーに利用され、さらに保健衛生や医療へつなげる新しいキュア・メディカルの領域へ。木の用途は、確実に拡がり、更に深化していきます。

自然乾燥材の木香・微細物質の放散度と表面切削仕上げグレード

ハンドツールと機械加工による放散度グレード一覧イラスト (刃物形は刃先部分をデホルメ)

 キュアファーニシング™/メディカルウッドワークスには、削り屑(華)の切れ形、平滑度、艶、テクスチャーから効果が持続する仕上げを選びます。針葉樹材は、ヒノキ科・姫子などの松柏科を。広葉樹材は、朴・桂・シナ・キハダ・サクラ・鬼胡桃、栗 等。樹種、産出地のほか、アテ、バイヤス、節などには成分の違いも考慮します。

天然ソリッド材のオーガニック物質のかたまり_微細物質の放散・吸着・分解がおきる表面木肌

姫子松プリンセスパインの木香・微細物質放散削り木っ葉(カンナ屑・削り華)

 木材の寿命が長く、耐久性が高いわけは、年輪層多重細胞組織がマルチレイヤー構造だから。その細胞組織には、生命維持の抗菌・抗体・治癒成分が分泌蓄積されており、切断、削ると表面から微細物質を放散、徐放します。初期には強く発散し、徐放を繰り返し、時間が経つと芯央内部からの抗体が移出するセルフキュア反応が続きます。やがて表面が空気に曝されて、エアゾル浮遊物が付着すると吸着。匂いなどの化学物質を分解し、消臭する作用もあります。

実際の仕事に役立つ樹種の微細放散・抽出物について考究するとともに、木香・微細放散物質の働きや特徴を捉え、見えないものを、知らないことを明らかにしていきます。

ナチュラルシーズニングは、数年から数十年を経て熟成し、富貴化することも明らかになりました。芳香・濃密色、落ち着いた良質材質となり、おしなべて木味がよくなります。

 ソリッド材は、切り削ることで、新しい綺麗な表面がでて香り立ち、放散・吸着を繰り返します。微細成分を徐放し、素材力が持続するだけでなく、穏やかな取り込みを住まいの環境装置としてのキュアファーニッシング™  に十分に活かせる。その香り立ち、放散・徐放する削り方には、伝来の「槍鉋削り」や「台鉋立刃」が役立ち、「コソゲ・バンカキ」「スクレーパー」も良好です。

薬は、すぐ治りたい忙しい現代人の要望です。香りも強いものが、ぐっと効くようなイメージですが、姫子松などに含まれている樹体成分は、匂いが判らない程度の淡く弱い、微量のものがリラックスでき、睡眠導入効果があるということも解りました。

チップソーではシャープに切れていない。(卓上丸ノコ盤)

     

山桑の木口切断面         シナ(赤)の木口切断面

チップソーはすぱっとカットできるように見えますが、先端の切り刃で鋭利に切り、刃測面はこすりながら切削します。高速回転により、切断面がつぶれて木口の導管_仮導管は目詰まり。プロが機械加工後に手鉋刃でひとなめするのは、接着面を整え、吸湿・放散性能を落とさないことになる。エアロゾル、浮遊ガスなどの吸着は、窓アキ複合刃(長勝鋸)切りが効果的のようです。軟質材とハードウッドの違いも大きく、さらにミクロの切削肌をしらべます。

放散度が高く、仕上げ肌が綺麗な槍鉋刃による削りを見直し

 飛鳥時代から木造建築材の仕上げに使われてきた槍鉋刃は、社寺建築や町屋に近代まで使われていました。 江戸時代中期に台鉋が發明されてからは、釿手斧とともに槍鉋は大工道具の表舞台から消え、主役では無くなる。昭和の法隆寺・薬師寺再建の時に古代技法を尊重するため、飛鳥型刃物の復元が行われ、現在では主に宮大工の分野で継承されています。削り屑には厚みがあり、クルクルとカールして木っ葉は裏割れ、木香が強く感じられる。

 

裏スキ銑がけ 現代型: 0.15 -0.1mm          飛鳥型では、0.25 – o.15 – 0.1 mm

小職は、古代大工道具の鍛造再現を手がけられた興光二代目白鷹幸伯から直接購入しましたが、活躍されているベテラン鍛冶職水野清介作を合わせて掲載しました。

前稿の手斧と本稿の槍鉋ストーリーは、白鷹幸伯著「日本の鍛造刃物歴史と発展」の説明イラストが詳しく、解りやすい。現職が書かれた貴重な資料です。1977年 7月、武生でお目にかかり、引用を許可していただいていますので添付します。

 微細放散物槍鉋削りは、長年現場作業をしてこられたベテラン宮大工村上宏治さんの見事な槍鉋研ぎと実削シーン(第一回匠の祭典・京都京北 2016年 )と「削ろう会」会報連載「平成槍鉋考」執筆記事を合わせてご紹介します。

     

第一回 匠の祭典 2016年7月 於:京北木材センター / 主催:長勝鋸 長津勝一 /京都市

槍鉋実削:宮大工 村上宏治 他に釿両手斧・鉞ハツリ、大鋸挽き実演と指導体験が行われました。

■槍鉋削り「平成槍鉋考」村上宏治著 2013  連載

高度工業化社会が進むと合成化学物質が蔓延し、アレルギー体質が激増してきました。加工食品の包装にアレルゲン表示が増える一方、新築ハウスの匂いは息苦しく、工業建材、化粧材、擬木フェイクウッドに囲まれて暮らすようになりました。建築基準法に人工乾燥材規定が加わり、活きているオーガニック自然乾燥の木材が使われない時代となりました。ナチュラルシーズニングは、時間と経済性から排除されます。

呼ばれないのにウイルス・バイ菌が押し寄せる昨今、体の自然を回復させるための住まい、ダメージを受けない暮らし方がとても難しい時代です。自然の仕組みからみれば、100万年以上も立ち続け、生き延びてきた先住生物には、きっと抗体や治癒の仕組みがあると感じるようになりました。殺菌・抗菌・除菌作用は、その現れと診ています。

樹木は、オーガニック、スローマテリアルとして体の自然を取りもどす重要なはたらきがあります。生き物の体をつくるDNAは自然界で誕生し、自然のものに適応してきたのです。”人は自然から遠ざかるほど病気に近づく” Hippocrates ヒポクラテス(古代ギリシアの医者)

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木の総合学 2020 「木香・微細物質の放散徐放とキュアファーニシング/ メディカルウッドワークス」「槍鉋削り再考・古代の先端ジョイントテクノロジー」「ハンドツールジャパン」

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