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高い抗菌・除菌力をもつヒノキも切り口には青黴がとりつき、ホウの木の抗菌成分で滅菌される | 古代から刀劍鞘の防錆能が活かされ、先端分野では重要絵画保存額装・バックフレーミング材に使われはじめたホウの木_そのオーガニック微細成分の放散・徐放は、黴・微生物を寄せつけない|見えない自然の脅威から護る、見えない木の力を明らかに Insight 木の内科 – 66

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

樹木は動けないから、倒れまいと樹体を強化しながら成長し、細菌や微生物、昆虫から護るミクロの生命維持、防衛機構を備えています。重要な働きをする微細成分に気がつけば、体の自然をとりもどし、住まいや医療に木の力を活かしていくことができます。100万年以上も生き抜いてきた地上の先住体ですから、樹体内には不思議なことが多いのです。

2 月下旬、重要絵画の保存額装バックフレーミング材に使われるホウの抗菌性削り屑ができ、折よくヒノキ切り口に青黴さんが現れましたので、首尾良く袋に入れて被せ、青黴さんの様子を観察を続けています。見れば鮮明な滅菌作用がおき、繁殖を制する木の見えない力が少しみえてきました。名付けて「ホウの木微細医成分青黴退治オペレーション」

 白太辺材は養分が多く、室内では黴の繁殖がはじまり、ホウ削り屑に接触しているだけで、かなり滅菌・除菌されることが判りました。ホウの長期自然乾燥材や削り屑には、黴の滅菌、除菌力があるといわれてきましたが、どの程度なのか? 早速 、削り屑を被せ除菌オペレーションに。19時間で減菌されてシャットダウンが起こり、微細放散成分はインパクトがあります。

二日後、さらにに滅菌が進みます。

10日経過 次第に薄くなりました。(以後観察継続中)

 青黴さんはさらに薄くなり、付着面積は減りましたが、完全には消滅しません。ホウの芯央材削り屑には、微香があり、微かに匂う程度。殺菌力の強い水蒸気蒸留・HOU精油を塗ると、ほぼ消えますが、生き残るとまた動き出すしぶとさがあります。室内だけでなく、屋外でも空気中には青黴の微細胞子が浮遊してエアゾル状態ですから、二次繁殖が起きる。

風通しの悪い、湿気が多い塲所では、内皮層、白太辺材に青・黒・白黴腐朽菌が取りつきます。青は、内部へ拡がると 建築構造材では、20年後も生き残っています。

天然ヒノキ枝切りから一年が経ち、養分の多い白太辺材に青黴がとりつき繁殖。抗菌力が弱くなった部分が痛み始めます。木香放散は枯れ枝になると途絶えます。

幹の板材でも、切り口や切削肌から木香、微細成分の放散は減衰して行きます。腐蝕までは相当の時間がかかり、芯央部赤身の抗体成分は樹齢ぐらい持続。簡単には腐りません。

 

 ヒノキもホウの木も損傷を受けると抗体・治癒物質を分泌し、ダメージ部分をガードします。侵入物を排除したり、包囲しつつ傷口のセルフキュアをはじめるので、抗体移動は見えず、何も匂わない。バイオメディカルスイッチが入ると動くのですが、樹体の外からは見えず、ダメージ耐抗と治癒アクションは、切らないと見えないだけでなく、青黴を排除する成分がわかり、見えない微細放散成分や抗菌力が見えるようになりました。

木目を初めて見てから一万年ほど経ちました。ようやく木香・微細放散物質や抗体が見え始めます。ホウの木の微細成分について、解析作業を進めています。

ホウの木 保存額装バックフレーミング材の木取りと削り屑の抗菌力再活用

 

木取りの削り屑は、直ぐにヒノキ切り口青黴除菌テストへ。

ホウの木板材プレーナー削り屑(木取り加工協力/工房ブレス 須藤崇文)

保存額装用バックフレーミング材について

Ⓐ ホウの木 長野県佐久地方産出 2003年_樹齢115yrs. 芯央色黄緑 目詰み優良材 自然乾燥17年  2019 年重要絵画保存額装バックフレーミングに使用。

Ⓑ ホウの木 岐阜県産材 2000年_樹齢70 yrs. 芯央濃緑色 均質良質材 自然乾燥 20年 2020年重要絵画保存額装バックフレーミングに使用。

美術館収蔵修復記録用に完璧なトレーサビリティー作業記録、制作図、工程の画像、伴木・残材も残します。数百年後の次の修復職人へ伝えるためなのです。

木材市場原木直接購入から製材 / MT マテリアルトリートメント_林縁桟木積み自然乾燥経年観察_建屋保管を経て居室シーズニング を経て、最終平衡含水率は12% – 15% 、選材・木取り加工、全作業工程の様子も報告しています。

工藤額装工房のスペシャルプロジェクトに供給

 工藤正明氏は、AASCFコンサーベイションフレーミングアーキテクト、絵画保存額装の第一人者です。 長年、美術館収蔵品の重要作品の保存額装に携わり、昨年來、日本産ホウの木の一等材・長期自然乾燥材をフレーミングに採用しています。世界で最先端に位置づけられる業績を拡げてきました。昨年來、小職は研究成果を実際に使いこなすため、ホウの木の長期自然乾燥材フレーミング加工材を提供しています。100年後の修復作業まで保存性能が持続すると予測しているのです。

「この作用がどのようなメカニズムになっているのか解明されると、ぐっと前に進めます。保存額装では今のところ、作品が納まる空間は木部が露出しないような処置をしていますが、その他の周縁部は視覚的に必要な部分以外は無塗装で納めています。」(←工藤正明コメント)

http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/17925

COVID -19 新型コロナウイルス感染症の世界拡散で抗菌性防疫素材がわかる

ウイルスが生存できる表面材質について、医学・疫学的な事実が明らかになりました。

 今、新型コロナウイルス感染症が世界中に拡がり、重大な生命危機になりました。「COVID -19 は、物体の上で1~9日生き続けるという、重要な事が発表されており、木の専門職も抗菌・防疫性能に関心をもってインターネット上の記事を見ました。それは、

「ステンレス・プラスチックの表面では 2 ~3 日、ボール紙表面 – 24時間、銅の表面 – 4時間、空気中 – 3時間生存。」*

という通信社コンテンツ。

別のジョンズ・ホプキンホスピタル(チェーンメール)では、

― 3時間   (布生地)
― 4時間   (銅と木)
― 24時間 (段ボール)
― 42時間 (金属  ステンレス)
― 72時間 (プラスチック)

肝心の樹種や材質は不明ですが、エピデンスを知るため原文を読みたい。

*アメリカ国立アレルギー・感染症研究所NIADI、疾病対策センター(CDC)他 MIT/ Ling.org   医学ジャーナルに発表され、ニュースで 報道されたもの  20200331、20200419

「表面細菌生存時間」という評価項目で素材観・常識が変わる

 人工プレート材、工業製品は、プレーンで平滑均質なので清潔に見えますが、実際の表面の性状は微細な傷穴やボコボコ粗く、清潔度と見掛けは違う。細菌が付着して生きていられるわけです。

では、木材表面では、バイ菌はどうなるのか? 細菌が繁殖するデータは無く、自然の樹木は、材質が多孔質にみえるものの、抗菌性をもつので居心地が良くないのでは? また、一般常識では、木は腐り易いという先入観があり、樹種や使い方で耐久性に大きな違いが起きるのです。さらには、長期自然乾燥、ナチュラルシーズニング材は、熟成・貴富化していきますから、スローマテリアルトリートメントという新たな手法をとります。

 抗菌・除菌作用がある典型的なものですが、ヒノキ材などの脂・油分は腐りにくく、香気が菌類の繁殖を防ぐことを経験から知って居るので有害な病源菌以外は洗い、熱湯消毒や拭き取るだけで片づきます。エタノールや消毒液で殺菌するのは、台所がキッチンになってから、汚れに敏感になり、過度な清潔宣伝がいっぱい。

近年、「黄色ブドウ球菌を99.9%除菌するヒノキ抽出物水溶液」食品分析センターのデータが公開されているほか、キノコ菌が増殖しない滅菌ホウの木のチップ材は、細菌にかなりの抗体性をもっていることが知られてきました。

今回のウイルス感染症・疫学レポートでは、ステンレス・プラスチック表面はクリーンなイメージがありますが、細菌は生き残ることがわかりました。建築・室内・家具まで、全てにプラスチック、ステンレス、アルミ、人工ボードが使われていますから、病原菌は付着して感染しやすく、無くならないということになります。高度工業化社会を突き進み、自然素材を排除してしまうことが結果として生活環境そのものを危うくしてしまう。衛生的に見える「病」院には、細菌が残れる、工業建材がふんだんに使われています。

ウイルス・バイ菌が生き残れる工業建材人工環境

 メーカ製のシステムキッチンは、クリーンイメージですが、シンクトップや引き手のステンレスや化粧板、合成化合物・金属材表面には細菌が生き残り、耐久安全性に限界を示すことになりました。細菌が付着しても滅菌・除菌はできないので、見た目には綺麗ですが清浄ではない。 細菌が繁殖しないとされたプラスチック俎はどうなるのか。包丁刃で粉々になる表面のマイクロプラスチックを食べることは、想定されていなかったのでしょう。俎削りが復活するかも知れません。

病院や公共施設の建築・室内・家具は、ほとんど難燃・不燃工業合成材ですから、健康アメニティ面で新たな課題が浮き彫りに。さらに、本来抗菌性のある木材も、塗装や接着でプラスチックの表面になりますから、アレルギー・感染症には、純木のソリッド材でつくり、無塗装、スッピンが望ましいことになります。体の自然を回復するためにも住まいの要件を深く読み取ることができそうです。

ホウの木の保存額装バックフレーミング材の先進性

 額装構造も絵画の住まい・居室としてみれば、ホウの木のソリッド材によバックフレーミング材は、展示_収蔵保存施設に近い木材で、室内平行温湿度の安定や抗菌・耐性が付与されて、昨年からの修復プロジェクトは、最も望ましい配慮がなされたということができます。

ホウの木の抗菌性、機能適性と材質用途の拡がり

 滅菌力が強いのでキノコ菌培養チップ材には禁物です。刃物鞘つくり、調理具、食品包みなどに経験的に抗菌力を利用していましたが、冬目は目立たず、均質緻密の優れた整形性、刃物あたりはバツグン。木型・漆木地、引き出しや保存箱には最高です。抗菌成分は、最先端の保存額装バックフレーミング技術にも重要な意味があるということが確かになりました。高度なウッドワークスから、漢方・医療臨床まで、極めて重要な日本の固有樹種なのです。

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http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/27812

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http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/10904

ヒノキ芯央赤身には、抗菌・治癒成分が脂状態で蓄積されており、抽出物は精油で取り出されて木香料や殺菌剤に使われています。

針葉樹は、葉枝で抗体・治癒物質」が生成され、枝節に蓄積され、広葉樹は、株下根元に分泌組織源ができ全体へ色素を分泌。樹高が伸びるとサティライト的に入り皮やアテ部分などに抗体分泌途中組織が現れて肥大成長していきます。木の内科的には、脂や色素の存在で生命維持物質の蓄積が判ります。

ヒノキ・ホウの木は、古代から抗菌性があることが知られてきました。科学的な解析は、20 世紀中頃に始まります。自然の見えない脅威を、見えない木の力で対処する好機になると思います。

ⓒ2020, Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2020  「ヒノキとホウの長期自然乾燥ソリッド材の抗菌・除菌力」「絵画保存額装バックフレーミング材の微細放散成分による抗菌」

「ヒノキ切り口に増殖する青黴を除菌するホウの木削り屑の滅菌力」

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