「木」と教育「木」の高等専門校

C/R 予算削減と親方引退のダブルウエーブに直面、その方策提案

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

カリフォルニア州財政逼迫で予算削減、引率主軸J. クレノフ引退_次世代移行が迫る1992年末- 1995年運営経済困窮が波及してきました。

 C:R Fine Woodwroking Program
カレッジ・オブ・ザ・レッドウッド校にも予算削減が通告され、Fine Wood Working Program 開講以来引率してきたジェイムス・クレノフの退職、リタイヤ時期が迫りました。引き継ぎ、次世代の運営と財政的基盤の確立を検討するため、支援者や関係者への打診、改善方策提案の依頼がきましたので、[ Left Hand Project 1995 ] なるメモを送りました。左手は、社会と他者のために—
C:RLeft Hand Project -6
C:R Left Hand Project for-2 C:R Left Hand Project -3
  C:R Left Hand Project for-4 C:R Left Hand Project -5
公立の場合,学校運営は様々な制約を受けますが、州財政危機が近づく中で予算削減の他、自主努力での具体的な収益確保と新しい行動指針・改善策を出さなければならない時期でした。ファンドなどの投資で稼ぐような大規模の私学とちがい、小さな地域密着校は運営存続が大変です。留学生は、外来学費が高いので安定財源の一助にもなり,異文化交流になるため歓迎されてきました。才能の耀く塲であり、創作の可能性や習熟の魅力に溢れた校風です。
 これから先、率いるトップの交代・移行期には、人望・力量があり、情熱と生徒を集め寄せるパワーが溢れ続く人物を必要としていました。優れた創作力や芸術性を備え、実際に制作して生徒を教え育てて面倒をみる。おまけに学校運営能力を発揮するのは本当に大変です。上部組織との折衝、寄付集め、知的財産の運用一つとっても、人的交流や地域貢献の蓄積がものをいいます。卒業生のサポートと地元企業とのコラボも重要な課題ですが、協力的なソリューションは必ずあると感じました。
技能専門校では、収益事業が制限されています。生徒作品販売の他に地域の住宅や公共施設の家具・インテリア修復など、現場実務体験で稼げて社会貢献できるような特別な実務システムも必要になるでしょう。こうして試練を乗り超え、学校の歴史が刻まれて行きます。

新たなムーブメントの予兆

 イタリアの「シェア-デザインスタジオ」やオランダの「シェア-ワークショップ」の事例をみますと、従来の教科体系や職域をこえた新しいカテゴリーが出てきて、技能修得のスタイルやビジネス組織形態変化へとシフトする魁けとみえます。人口・経済力衰退に向かう日本では、どのような新しいシステムをつくり、先達が手と財布を貸して次世代のステージを設けるのか、若手の意向や可能性も問いかけたいと思います。
C/R  ワークショップ平面図1995
平面図:PLAN of Woodshop  COLLEGE OF THE REDWOODS  1995
機械加工室側増築前(4.2M 拡張:J,K 制作室、材料庫+集塵室)

© 2014, Kurayuki ,Abe

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 木の総合学研究2014 – 2019  「Woodworking Program と運営・予算、マネージメント」「木」と教育・教科

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