「木」の道具・工具 | クラフトフェア | 木工
クラフトフェア ベストプロダクト・AZUMA Spoke Shave −2.ハンドツールコネクション
阿部蔵之|木とジョイントの専門家
手仕事のノウハウ大部分は、道具の使い方、動作・身のこなしにあり。制作能率・フィニッシュを一気に高める優秀な道具は、ベテラン職人の片手いただきと同等です。
東 敦史は、仕事について尋ねれば、専門的な知識や加工技術を真摯に披瀝。企業秘密なんていわないオープンな人柄は、若き日の修行で失うものがない、強い精神力で仕事意欲は人一倍。どんな仕事でもこなせる熟練した腕を持ち、排他的な伝統木工芸界からの離脱、あらたな造形分野へのコミットメントを始めていました。
私は、折々に東 工房の手仕事を記録し、作品は各寸法仕様別に購入して保存。徒弟制度も最後の世代となり、これから伝統技能を引き継ぐために相談して制作工程ごとに実物を残すことにしたのです。現物があれば、後世にほぼ再現出来ますから。刃物は、自動・手押し盤の交換刃やハイス替え刃などをカットして転用。切れ味も長切れしますので再生刃に目をつけていたのです。木工機械屋さんから譲り受けレーザーカットしたり、ハイス替え新品薄刃も購入、5-6年分の材料パーツをストック。注文が続きました。
さて、実物・採寸図面類・工具類は、メディア掲載、ミュージアム収蔵・展示することも想定して全て残しました。これから次世代へ継承していくため記録を公開するとともに、適任者へ譲渡していきます。
⑫ 台固定、台削り用 自作挟み治具
500mm L x 50 mm W x 42.5 H 、460g
挟み板:Hemlock,Western
横締棹木・当て:楢
台・握り部の整形・仕上げ用
手持ち治具は、固定バイスより自在に整形出来ます。
鉋刃仕込み・刃口彫り後の制作工程
刃仕込み終了 → 台下端削り・挟み治具
厚み決め → 握り部面取り削り 小鉋かけ
刃入れ 玄翁を下で受け打ち込み 刃脱し 玄翁エッジで台肩を打ちつつ
口金真鍮型取り後、鑢掛け → 口金 ドリル下穴あけ
口金木ねじ取り付け → 口金鑢仕上げ
椿油拭き 赤樫台 刃幅:一寸二分、一寸、八分
AQ 941006 – 941127 /CLE 28 , 40mm ASA 400
東 敦史 雑誌掲載記録
・松本民芸家具仕事場取材記事と赤樫台 週間ポスト1993 / 9 / 17, 小学館
・仕事場取材記事と白樫台 週間宝石 1994 / 3 / 24, 光文社
ハイライト・木工家 日高英雄所有品 ハイス刃:一寸・六分
2013年10月19日 /県の森クラフトピクニック2013 制作実演
使い込まれた手鉋から創作されたシェーカースタイル作品・小物類は多数。クラフトフェアまつもと連続出展、雑誌や本でもおなじみのベテラン木工作家です。口金の渋い輝きが活躍ぶりを物語ります。
*柏木圭のリプロダクト作品は次回掲載
ⓒ2014 , Kurayuki Abe
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木の総合学2014 – 2019 「日本の木工具」「棒鉋」「ハンドツールコネクション」「クラフトフェアベスト作品」
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