「木」の道具・工具クラフトフェアジョイントシステム木工

クラフトフェアベストプロダクト・柏木 圭の東モデル南京棒鉋 AUZUMA Spoke Shavesケイショウ

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

柏木工房の東型棒鉋・AUZUMA Spoke Shave リプロダクト 価値を創り出す道具への思い入れが新たな表情を生み出し、造形家の感性が作品に宿る。使う姿が美しいほど、楽器のように奏でるタイムレスデザイン。

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東型棒鉋  (南京鉋)
① 一寸 丸 302 x 24 x 14t   74g  白樫
② 八分 平 274 x 25 x 12t   69g  赤樫
③ 八分 平  274 x 25 x 12t  60g  白樫
④ 六分 平  240 x 20 x 10t     47g  白樫
⑤ 六分 丸  240 x 16 x 10t  33g  赤樫
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東 敦史は、仕事について尋ねれば、専門的な知識や加工技術を真摯に披瀝。企業秘密なんていわないオープンな人柄は、若き日の修行で失うものがない、どんな仕事でもこなせる熟練した腕があり意欲的な姿勢。排他的な伝統木工芸界からの離脱、あらたな造形分野へのコミットメントが感じられる独立スタートでした。
1995年5月 柏木 圭がクラフトフェアで 三年続けて6本目を購入した際に、東は「自分で作れるでしょ」と自作をすすめたので写しの試作をはじめ、自分用のものからポツポツ制作開始。一方、東作品が手に入らない残念なことになりましたが、惜しまれていたところ、1999年、再現制作を名乗り出てくれた木工造形家・柏木 圭が制作を続けることになりました。作家的職人の手仕事は継承されていきます。
柏木は、忠実にリプロダクションを手がけ、丁寧で高度のテクニックを駆使して作り込み、完成度をあげ、更に洗練された雰囲気をもつオリジナルを超える作品となりました。美しい道具は、タイムレスに使われていくでしょう。道具が背中を押し、手許を熟練に変えていきます。
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AZUMA  Spoke Shaves by Kay Kashiwagi 2003
柏木型南京鉋型録20020318-1

2002年版 南京鉋型録 20020318AQ  制作:Yoshi Design 阿部譲之

モデルは同じく一寸二分・一寸・八分・六分。刃の整形も綺麗に仕上げて端正な雰囲気、細部にデザインセンスが顕れています。手になじみ、握り具合良く、ガリガリ使うのがためらわれるほど。柏木本人は、ベテラン本職のオリジナルに忠実に制作したということでしたが、元現代美術・造形家の手は更に精度アップ、微妙に型を洗練して超えています。日本の木工具の新しいスタイルとなりました。ここまで、丁寧に作り込む集中力は相当なもの。完成度は名工「行近」クラス,「ツールジャパン」の傑作です。(炭素鋼刃のみ、ハイス刃はない)
このAzumaオリジナルと柏木モデルの棒鉋は、併せてクラフトハウス・ミュージアム収蔵、クラフトフェアベスト作品選定にしたい。(先達・諸賢のクレームなければ、「クラフトフェアM大賞」は、いずれ顕彰。)

柏木 圭19991902 クラフトセレクション100出展-1柏木 圭 991003 クラフトセレクション100

azuma型棒鉋 (南京鉋)リプロダクト

懐中箸入れ制作実演と共に南京鉋販売:クラフトフェアーまつもと1999年5月、展示実演。クラフトセレクション100 in 松本城・10月  実演展示販売中の子連れクラフトマン! (絵描きに夢中の5歳。)

柏木 圭 略歴

1957   東京都世田谷区生まれ。
1980  東京造形大学造形学部卒。
1984「変貌の契機奇妙な同居」展(紀伊国屋画廊・東京)
1984~87  中古英国家具の修理の仕事に就く。
1987  世田谷区給田にて独立、注文家具。何でも木工屋。
1991  長野県美麻村(現大町市)に移住、廃校の校舎をアトリエにする。
1995     雑誌サライ3月2日号 らくだ屋通販 箸入れ販売、約600 本制作
以後、小浜の箸問屋からのオーダー、工芸ショップ、個人注文、クラフトフェアで総数 8,000本を制作。
1999  4月29日不審火により工房全焼。急遽、道具刃物を手配。手元に残った東作六分ハイス刃南京鉋で箸入れ・東型南京鉋(棒鉋)を自宅脇仮設作業場で制作、5月「クラフトフェアーまつもと」参加。10月 クラフトセレクション100 in 松本城」出展し、実演販売
2001   クラフトフェアまつもと事務局長、以後三年間。
2001  4月~ 2004年3月 長野県立中条高校美術科工芸コース 非常勤講師 3年間
2002      工房新築再建
2003  クラフトフェアまつもと事務局長として活動し尽力  有賀松本市長視察の案内
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2005  東型棒鉋(南京鉋) 制作休止
2006 「素と形」展 松本市美術展、栗懐中箸入れ 日本民藝館展入選。
2007 「かたち・現代日本の意匠」展 フランクフルト市立複合芸術美術館に栗懐中箸入れ出品。 9月「つくる者たち展」ギャラリー江 (銀座)
2011   名古屋芸術大学デザイン学科公開講座「木のデザインとウッドワーク」制作実演 20110611
 「エコの作法-明日への美しい生き方へ」No.13 [読む x 月]  TV番組(資生堂)出演、箸入れ制作と荒山林業北の森・哲学の森 新月伐採を収録201109
2013    第1回「作用」展 OUTBOUND 出展
2014    第30回 クラフトフェアまつもと 招聘出展
2015    第31回 クラフトフェアまつもと出展参加 箸入れなど制作再開しエンジンかけ直し
 *「クラフトハウス・ミュージアム」コレクション収蔵・展示を想定して構成、記載 AQ20140204、20100128

参考比較

Wooden Spoke Shave USAモデル

280L x 30W x 20t mm      台:桑の木 Mulberry, 刃口:リグナムバイタ Lignum vitae
ハイス刃幅 70mm , 105g
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David Welter 作 1995 / College of the Redwoods , Fine Woodworking Program

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木の総合学研究 2014  「日本の木工具」「棒鉋」「ハンドツールコネクション」「クラフトフェアベスト作品」
* 私が選んだ「クラフトフェアベストプロダクト」-2. 柏木 圭の「栗懐中箸入れ」棒鉋(南京鉋)削り道具に因み、次回掲載予定。

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