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柴葉アカシデ・サワシバの天絞シボ樹肌・波打ち年輪_しっかり抗菌防御_うっかり忘れた虫喰い対策|SHIDE & SHIBA Tree_The strangulated body and waved grain work off bacterial invasion, simultaneously tenacious and robust, forgetting insect protection. Evaluation diagram of tree’s vitality and physical properties, aesthetic wood qualities”.|知らない・目立たない特異な形質を明らかにする「樹性・生命維持力_物性・美質の評価ダイアグラム」 木の内科 – 89
ハッキリしない木理モクメ材色_ ビッシリ逆放射髄線の高い靱性と応力に耐える稠密材質_損傷治癒は見事に埋め塞ぎ、ラディカルに抗菌バリアで対抗しながら、隣では虫喰いフリー_飛び離れる赤身芯材色の部分的発出。この目立たない不整合は、優劣強弱の混じる特異な天性を感じさせます。応力・衝撃吸収や生命維持の防御_抗菌力やその美質華やぎにも注目して。
黴付き変色は現在までなく安定_虫喰いは板材自然乾燥桟木積みを始め、数年経過するととりつき穴掘り_抗菌・抗体の動きや材色変化は、自然乾燥桟木積み8年~10年経過して気がつきました。
伐採直後の生材では、内部の特異な性向や動きを察知出来ない_ゆっくりと経時変化がおき、色気などの違いが次第にハッキリ見える段階に到ります。直ぐに本性は顕れません。
コンテンツ
① 原木の木口カット_樹皮・年輪層の特長的な細部天絞シボ極薄の外皮_波打ち年輪_逆放射向芯髄線の稠密強靱構造
② 製材記録 板目中杢_無目ムメ(木理モクメがハッキリでない材面)
③ 板目が柾目のの性質 材色・抗体の動き_発出・移動_抗菌バリア・埋め塞ぎ
④ 虫喰いフリー_防御ガード修復治癒をしない喰い荒し放題
⑤ 外皮・内皮の細部構造_外皮色素の溶出
⑥ サワシバの木 「柴葉」若芽の鱗片リンペン マフラーを巻きつけて
⑦ 圧縮加工木材利用「シャトル」他
⑧ 高熱カロリー自然燃料_安定した遠赤外線輻射熱を出す薪・良質炭
⑨ シデ・シバの名称_アカシデ」「サワシバ」樹名の由来_「シデ」樹名方言
⑩ 樹性・生命維持力_物性・美質に関する評価項目 及び、チャート図ダイアグラム
❶ 原木の木口カット_樹皮・年輪層の特長的な細部
天絞シボ極薄の外皮_波打ち年輪_逆放射向芯髄線の稠密強靱構造
・外皮:0.34 – 0.4mm
❷ 製材の記録 板目中杢_無目(木理モクメがハッキリでない材面)
60mm ダラ挽き サンプル板・圧縮木材用厚板挽き材 (板目・中杢・追柾)
❸ 板目が柾目の性質_材色・抗体の動き_発出・移動_抗菌バリア・埋め塞ぎ
マテリアルトリートメント・長期自然乾燥 15年 柿渋塗布・割れ止め・養生
・密度比重:0.76 – 0.62 g /c㎥ 含水率:13.9 % – 14.7 % (測定 2021/12/20)
この髄線が斜めにゆらぎ、目通り細かく通直に伸び、繊維は撚り絡み割裂しにくい。
風圧揺れ応力を吸収シテ、折れ倒れない粘り強い靱性を造り出します。
分離する赤身材色_飛びハズレ
芯央部に蓄積しないで、白太辺材部_枝近に出てくるのは、芽吹き時の紫葉色サプライ源と考えられます。
枝元_入り節抗菌バリア
❹ 虫喰いフリー_防御ガード修復治癒をしない喰い荒し放題
抗菌・防御バリア形成_隣の虫喰い穴には感知しないで無頓着です。
外皮厚み:0.4 ~ 0.36mm
❺ 外皮・内皮の細部構造_外皮色素の溶出
❻ サワシバの木
❼ 圧縮加工木材利用「シャトル」他
●提供:株式会社シャトル 1997 ( 福井県武生市)
日本の圧縮木材加工は、昭和56年1981に始まり、自動織機飛び杼製造に使われました。
木管・杼・シャトル用木材:糸のアタリは、ツゲが最上とされ、主流は椿_小型のものはイスの木_樫・柿・シデは、圧縮木材にして使われた。 (1997/09/27 旧社名「北陸合同シャトル」圧縮木材加工現場を見学させて頂きサンプルを拝受しました。日本の繊維・織物産業では、膨大なブナ・樫・シデ材が使われてきたのです。)高圧で圧縮木材にすると材質はさらに均質緻密になり、狂わない精密な製品になります。木材の吸湿変形を殺し、プラスチックに近い性質にしてしまう。ボーリングピンのメープル材は衝撃音を出してはねるように圧縮木材加工されていました。強靱な材質は、曲物、道具柄、ピアノアクション部品や器具材に好適なのです。
❽ 高熱カロリー自然燃料_安定した遠赤外線輻射熱を出す薪・良質炭
■ 櫟・白樫に似た燃焼をします。純木灰は、強アルカリ性で藍の発酵に友人の藍染め工房へ渡ります。
❾ シデ・シバの名称_アカシデ」「サワシバ」樹名の由来
シデの木では、特長づけるイメージは稀薄で樹名の手懸かりは、古代和名の具木名「柴シハ」にありました。春芽の鱗編マフラーが紫シハですから、筆写転載していくうちに「シバ」→「シデ」へ転訛したもの。色や形の接頭語をつけないと意味も判らなくなります。
「シデ」樹名地方名称
九州から本州に70事例 シデ ソネ ソメ ソノ ソデ ソロ アカソ アカシデ アオシデ イワシデ
シダ 紫縁シベリサクラ ツノバミ 他 (S; 日本植物方言集成)
東北地方に多く、色・葉形の特長や用途から名称が定着していきますのでイメージわくような名称が残ります。「シデ」は、「紫シハ出ル木」と解釈します。
「具木名」柴シハ 「新撰類聚往来」中巻_ 108樹種 慶安元年 1648 / 室町時代中期
❿ 樹性・生命維持力_物性・美質に関する評価項目 及び、チャート図ダイアグラム
●「シデ・シバ」の評価チャート・ダイアグラム
右側は、樹性・生命維持力_左側は、物性・美質に関する評価項目です。樹木から木材の間にある様々な事象を捉えて明らかにします。
評価ポイントは、個別の試験データではなく、現在までの知見に基づいた評価レベルをプロットしたものです。(未完成)
● 図版作成協力:ROUND DESIGN 丸山聡子
本稿から、個別樹種の評価及び樹性に関する総合的な所見を記載します。針葉樹と広葉樹では、構成項目の名称・カテゴリーは変わります。樹種毎に総合学域から評価する試みですが、それぞれの定性や特長を全て把握してまとめる作業量は膨大なので、これから順處して参ります。
ⓒ2022 , Kurayuki Abe
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木の総合学研究 2022 「シデ・サワシバの樹性・材質・美質について」「樹名の来歴」「カバ科シデ類の特長・利用技術」