MT マテリアルトリートメントジョイントシステム木工

木材の割れ止め鎹カスガイ プロが安心して使えるピカイチ現場道具「かじ寅製」 _六世に引き継がれる卓越鍛造手仕事 |KAJITORA KASUGAI The wood Jointing iron fasten tightly、 handed down of the six generation in TOKYO.|打ち込んで引き寄せ、きつく締め緩まず_仏師・堂宮大工、鳶職・戸工、杣・銘木屋ともにお世話になる中世からの伝承  木のジョイントシステム-37_ハンドツールジャパン – 51

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

プロが使う「鎹」は、きつく打ち締まる_確実に利き長期間緩まず、独自の発展を遂げた緊結鍛造金具。木材の自然乾燥・マテリアルトリートメントでは、原木製材直後の動きを診て割れ止めをします。

中世の仏像寄せ木造りから江戸期に広まり、20世紀半ばに完成された鍛造ハードウエア。

マテリアルトリートメント・長期自然乾燥では、厚板割れ止めを随時使い、養生し割れが進行しないように「鎹カスガイ」を併用しています。引き寄せ、きつく締め付け、収縮割れを抑えます。細め爪は鋭く、幅・厚み・斜角を微妙にシンメトリーではなく緩まず_緊結楔〆の原理「鎹」は国字。

長期の割れ止め鎹打ち_厚板二寸には3ー4寸を使う_四寸以上は肩に焼き入れ

鎹は、強く締まるものでないと役立たず_鋭くくい込み、内部割れ応力を圧倒し引き寄せ、きつく締めつける。長期間緩まないものを使います。1990 – 2020年

既製品の軟鉄紛い物ナマクラ

軟鉄太線をカットして曲げただけの量産ものは、やわな曲げ釘で鎹ではない。製材所で打込みして割れは止まらずグンニャリ_気休めどころか、かえって材料の木口を傷つけます。

 

■ 鎹の歴史資料

和漢三才図會 巻八十一「家宅類」 釘・鎹 かすがひ

鎹は、大釘を折り曲げ先端を尖り、二本を繫ぎ、匚形にして打ち固める物という説文。和釘は火造り鍛造で、冷間押出し加工の洋釘とは違う別物。

 

 機械生産と違い、鍛造手造りは、仕上がりがそれぞれ微妙に異なる_出来上がりは、シンメトリーではなく、勢いやパーソナルタッチが残ります。注文にあわせ、造り込み、完成されたものでした。高度工業化ハイテク時代に、現場ではとても頼りになる、伝統技能を承けつぐ貴重で有り難い仕事になりました。

 いざという時に、小職も使う「かじ寅バール と釘〆」は、次稿に続きます。

ⓒ2023, Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2023 「完成された鎹_かじ寅鍛造品の長期使用」

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