「木」と祭りジョイントシステムデザインの目伝統文化

緑の樹海に浮かぶ山里の「お舟祭り」_なんと舟を担ぐだけでなく、船体まで畳んで仕舞う木構造 KDノックダウン組立分解式。耐久強度・修理も考えた合理的な造り。残欠が語り出す衝撃吸収_壊れてわかる技術力 木のジョイントシステム-36

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

ばらして修理再生できる構造体は、壊れないと気がつかない技の本質_実測すると見えてくる細部の工夫がありました。使えば分解して仕舞う、要のジョイント部分に着目します。

ぶっ壊れたら治すのは自分達だから、手入れ・後始末を考えての大工職建造。製造物無限責任ならば、自然環境・資源・手仕事尊重_貴方任せの工業製品もゴミにはなりません。

 

新緑に紅白のコントラストが映えます。

船体の組立

 

 

 お舟祭事は、古代に海からやって来た部族がもたらした船型が原初_能登先端の珠洲から諏訪圏に伝播し、江戸期に山を越え松本地方へと拡がったもの。この入山辺大和合では、降神依り代となる真樹「松の木」を乗せ、担ぎ渡る御輿の祖型が残ります。

枘の残欠

 

 他町村の「お舟」は、車輪つき山車に改造されてしまい、原形を残してきた船体担ぎは、入山辺村大和合神社のみとなりました。貴重な民俗行事です。

境内は樹林斜面で担ぎ歩くだけでも大変、嘗ては、子供若衆を乗せて三度回り_現代では足腰が弱まり一廻り。逞しい肉体と伝承された熟練技能は、次第に賑わいも衰微していきます。

例年、山桜散る4月末に執行われています。観客も地元だけの素朴な神事ですが、今年は、七年周期の御柱祭事です。本年、七年毎の御柱立て祭事があり、お舟は船出しません。

お舟祭りは、諏訪御柱祭事の伝播により、現在も入山辺山間部に伝わるとても重い文化財です。1991年から細部・パーツを実測し、再現できるように詳細記録をまとめました。

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木の総合学研究 2023  「船体構造のバラシ_分解組立」「お舟を担ぎ畳む山中祭儀」

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