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学識・知見も届かない大径木の年配「象」さん橡トチ_生命力漲ミナギる人知をこえた樹性| The unknown metamorphosis grains of “TOCHI J-horse chestnut ” , sophisticated and vital grains of the Elephant-tree beyond common sense.|橡の王国新月伐採現場の見分、検知識別できない木理の変貌を詳しく 木の内科 – 125 続々
前稿に続きます。
奥山の天然林「橡の王国」に残る大木群を晩秋に新月択伐_20年の歳月をかけ研究用材を得て、材質の特長、抗菌・抗体の発出・分泌、木理細部の様子が明らかになりました。
実際に大径木の伐採現場作業から始め、原木挽き材、木理・木地のマテリアルトリートメント・養生寝かせまで見ると目を見張る未見のものが多くありました。谷筋全域を踏査し、橡の大木を伐り出し切り分け、木肌を綺麗に削ることは極めて稀なのです。
生育地が自然林のままで、素性のよい大木のまとまりに出会う絶好の機会となりました。高樹齢大径木は、谷間に悠然と聳ソビえ、抗菌・防御力を具えつつ倒れない割れない、異様な生命持続力を発揮しています。遙かに環境適応進化しているシニア樹種と考えると納得できる性向でした。
山元の植性や循環系を熟慮し、慎重に木材活用が行われました。一連の作業記録ファイルを残します。人間の関与が及ばない領域です・
⑧ 橡赤 328 yrs. 巨木伐採
橡赤-2 伐採後一昼夜置き・伐り口のフラボノイド反応材色
⑨ 橡赤 350 yrs. 大木の伐採カット
⑩ 橡白 250 yrs. 大木の伐採カット
芯央に「赤子」を抱えています。人面・怪獣など、橡には不思議が詰まっています。
橡は好感度が高く、人肌に似て清純な「白」が尊重されます。
⑪ 橡瘤 350 yrs. 大木の伐採カット
瘤栃は中間抗体増幅端や入節元周縁に特異な変性木理を造ります。(既稿に記載)
養生保護のため柿渋を全面塗布_こうすると数年間は木の内部が保護されて、ナチュラルシーズニングによる新鮮な材質感が保持されます。植物が身を護る抗酸化作用を外部から手当てし、紫外線を遮る保護皮膜効果を果たします。
このマテリアルトリートメントでは内部の劣化が進まず、切り口からの瞬時濡れで染まり呈色が起き、内部の異変を感知出来るのです。タンニンの濡れや吸収蛋白質、有機酸との即時反応は、ラディカルで想像が付かないないでしょう。
樹体内は、生命の代謝が活発で物質循環や生理化学反応が起きているのですから、材質に伴う構造的な経時変化を読み取ります。
⑫ 挽材面の著しい分泌を可視化する柿渋・割れ止め塗膜
材表面から吹き出る「アク」有機酸の動き_柿渋タンニン下地に割れ止め合成塗料(ブタジエン系)皮膜
板材面からでる放散活性を合成化学塗料反応の模様で見ることができます。導管繊維束斷面・木口からの微細放散は、極く微量なので長期間転写紙をあてますが、検出が難しく感知センサーの開発を待ちます。
関連コンテンツ:
・栃の王国-5 栃巨木製材見学会「栃には、赤・白・ピンク・瘤栃がある」 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/1964
・栃の王国-4 巨樹 新月伐採見学会 奥会津「栃の木の間」 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/1921
・栃の王国-3 巨樹の生息地自然林見学は、生存資源・生命維持装置そのものの体感_2012年奥会津入山沢にて http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/1896
・栃の王国-2 巨木見学・雪解け現地事前調査行 奥会津栃の王国 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/1860
次稿へ更に続きます。Continues further.
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木の総合学研究 2024 「橡大径原木の新月伐採_切り分け見分」「森林の巨大立ち木「橡」その生命維持・造り替えについて」