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大八車の実測着手_素速い車輪着脱「簪カンザシ」止め楔・〆ネジ |The KANZASHI Key used the guick axe assembling in 400yrs. of DAIHACHI wagon. 日本車輛造り400年_木のジョイントシステム-35
なんと安曇野の篤農家からほとんど傷んでいない「大八」を拝受しました。そんなわけで実測採寸して、詳細部・組み立て構造ジョイント_KDノックダウンの時代エコテクノロジーを詳らかにします。
荷車を後から押しても登らない急坂道にさしかかると、あっという間に車輪を外して数人で荷物と車体を人力で運び、再び車輪を装着して動きました。その辺にいる子供も手太助し人情いっぱいの道行き公共シーン_観たことは無いでしょう? 子供も労動力であり、大人に呼ばれ頼みにされ、社会経験を重ねる日常がありました。
先ずは椿油で錆び出し
車輪の着脱は、「簪カンザシ」素速くでき、江戸中期の發明でした。修理には、総バラシ_分解・組立構造体です。白樫材表面は、植物油にベンガラや胡粉を混ぜ塗り_欅の軸周り芯には油をさしています。雨ホコリ被り_ドロ除け撥水にも工夫した道路事情でしたが大切に使われ、長い間、納屋天井に保管されていたので綺麗です。
制作:高松屋 焼印
遠かれ早けれ、石油・燃料電池、地下資源はなくなります。いずれ、「日本車輛大八」は復活するでしょう。その時、困らないように車大工(車輛大工)の技術と実物構造を伝えます。
大工諸職は、堂宮、町屋、数寄屋大工あり、船大工、織機大工は絶滅手前です。「車大工」は、牛車・馬車・大八車・山車を造る職人でしたが、車師・棒屋も兼ねて堅木木工へと変貌しました。昭和30年頃にオート3輪車「くろがね」が走り広まり、牛馬車や大八はすっかり使われなくなりました。
車輛製造分野に名残りあり、木型制作や官制工場に職人作業記録が残存していれば來歴や様々なモデルがハッキリします。「車大工」は、白樫材・堅木木工と鉄工火造りまでこなしたのです。当時、新造価格は運送で生計を立てていけるほどのかなりの費用ですが、修理まで面倒を見てくれる町の堅木専門職人がいました。棒屋は、機具制作も手がけ、車大工の流れを継承しています。
小職が幼少の頃、隣家に元「車大工」のおじさん(新潟ご出身)が住んでいました。知識もなく、未熟でしたから消えて行く業種に気がつきません。敗戦後、タイヤが付いたリヤカーが發明され車大工は衰滅していきます。いろいろな経験談や手仕事を伺っておけばよかった。
「車大工」をご存知の衆は、もういません。今のうちに再現技能体験しておくと、暮らしック生活文化財が大いに役立つ時がきます。工業製品は、突然途絶えます。実測図面が出来たら、お次は「大八動態保存」を考えます。
実際に引き回して、重心バランスや積載量も検証します。現在でも道路交通法の軽車両として運行でき、荷車標識も活きています。沿道の人目を引き、エイコラ体験したい若者もいるのです。
数日後、若手のコメントあり_「大八車は上り坂で解体して運んで、また組み立てて使う。なるほど昔の人は合理的なものを開発していたんですね。起伏のある地形の日本にあっている。どおりで車輪だけ飾ることが多いのも納得。」大八の各地域モデルの違いも明らかになるでしょう。
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木の総合学研究 2023 「大八車の実測と車大工手仕事の技術」 「機工_堅木木工と白樫材利用」