「木」の道具・工具ハンドツールコネクション木工

ハイス立刃・逆こけ筋違・コソゲスクレーパー・台ならし鉋 名工青山作品 + 平台刃口・地剥き鉋 ウッドワークサミット ベストハンドツールコネクション-4

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

“ウッドワークサミット1991” 後、最頂期にある招聘ゲストの制作活動記録や作品を引き続きストック。ハイテク鋸・切削刃トップメーカー兼房の特注ハイス刃に名工の台打ち。

次世代へつなぎ受け継ぐ最上のオペレーションを手がけます。

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ベストハンドツールコネクションをはじめる 「ツールジャパン」

 1991年、私が開催したウッドワークサミットでは海外ゲスト全員が、鉋などの日本の手工具を紹介すると、東京・三木・京都で刃物を買い集めていきましたので日本の打ち刃物、手道具が國際的にも活躍し、ニーズの拡がりを迎えると感じました。形が洗練されていて綺麗な刃物という印象でした。押す道具との違和感がないようでした。「木」の仕事のプロが使える、姿形も素晴らしい刃物・道具を共有し、最高の道具を技能とともに伝承をはかるためにも、和洋ともに使える優れた手道具を開発していくことが必要な時代になりました。ドイツをはじめ北欧でも木工道具の専門メーカーは次第に減ってきており、欧米の通販サイトでも日本のシンプルな木工具や包丁、打ち刃物が注目され続けています。切れはピカイチ、プロの台打ち名工作は、使い続けていくうちに何かが違うと気がつく。数量をこなすということは、技能が安定していて、到達度を極めるわけです。
 新しい機械や道具は、時代とともに変わります。最新の工業技術を取り込み、伝統的なベテラン職人の技能に活かすメリットを結び付けるとコンパクトで現代の手仕事にも適応できる新しいカテゴリーの刃物・道具が生まれます。日本の伝統木工具も材質やデザインは、時代とともにどんどん変わり、次世代へ最良のものを開示してノウハウを拡充するため、情報・資料だけでなく実物を制作して「Best Hand Tool Connection」を進めていきます。手仕事の粋を伝える「ツールジャパン」
 
練達・至高の技から生まれる最上のクオリティ作品を手にしたい

鉋台打ち名工 青山駿一作「ABE立刃鉋」+ 兼房HSS特注鉋刃

 

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10年の寝かせを経て刃物と木部が安定。2004年制作、2014 年開梱・オープン

 溶鉱炉から出た金属は、組織が安定するまで寝かせるのが常道でした。スイスのブランド時計産業がゴールドインゴットを長年ストックして使う、一流楽器メーカーが素材を長年シーズニングしていることは良く知られています。これがクラフトマンシップの真髄。

刃物加工も同様に火造り後に金属組織が安定するまで時間がかかります。鑿や鉋刃、鍛造鋸は使い進み、半分ほど減った状態 半切れのころが一番切れが続くというのも手になじみ、金属自体の動きが止まることによるものです。鉋台も台入後、時間経過と共に刃身がなじみ安定します。

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ニュー立刃鉋のアイデアと制作

① 木工切削刃物の中で江戸時代から使われてきた「臺鏟し(だいならし)」は、現在でも必ず一台は必要な道具ですが、鉋台修正機能に限られ滅多に使わない。手鉋の衰退、専門職の減少と用途が全く進化していないので、将来のニーズから再考。
② 鉋刃の仕込みは、平台刃先幅の両側面を段突き台形にしゃくり、刃幅を感知できるようにすると削る界域の精度も上がり、樫台の反り・狂いを抑えることが出来る。このプロの工夫・デティールを反映させたい。
③ 和楽器や唐木指し物細工に使われる刃を逆に寝かせる「逆コケ」に台のならし削り調整も出来るようにすれば、他の削り仕事に使え、用途が広がる。エッジ取り、地剥き、スクレーパーに使用できるととても便利かつ重宝です。
④ 従来の直角仕込み刃を逆に傾斜させた「コケ」仕込みにすると、堅木のスクレーパー、カット面のエッジ取りにも使える。臺ならし横ズリ性能は、ハイス刃の鋭利な切れとわずかな寝かせで刃当たりは滑らか。
⑤ 台寸は短いので接合部・剥ぎ面のならしにも使い勝手が良い。シンプルでいろいろな手仕事に使える。
⑥ ハイス刃は鋭利でスクレーパー的な削りでも薄く削り華が出て綺麗な仕上げ面も可能。(刃先調整次第で荒削りから仕上げまで)
⑦ ハイス鉋刃が開発されて切削性能・耐久性が飛躍的に進歩。製造価格も鍛造品に近くなったので長切れ、再研磨時間を考慮し新素材を使いこなしてみたい。銘鏨切り・打刻にかわり、イラストなどを腐食加工で加飾自由度がアップ。
⑧ 引くだけでなく押しても削れるのでグローバルなニーズに結びつく。世界品質・ワールドツールになるでしょう。

⑨ 新素材やセラミック類、軽金属など木以外にも応用、転用可能。

⑩ 高度な鉋台打ち伝統技術と最先端のテクノロジーを融合させたモノ造りは、新しい木の道具産業発展につながる。
⑪ 鉋台寸法が短いので細部・クオリティの高い精緻な作業にもつかえる。(板矧目の仕上げには便利。上手に使いこなすと薄いレースの削り華がでる。使い勝手良好。柏木工房 柏木圭テストによる)
⑫ 一生もの、数代が使えるロングライフ

⑬一枚刃上質ハイスを「荒しこ」に仕込み直せばさらに転用可能です。

HSS ハイス鋼なので刃先の減りが遅く、切れ味も長く持続します。大工の友人は「刃が減らないので三代から五代は使えそう」との感想。

表面の汚れ落し「建築洗い」の仕事にも使用されています。

ハイス刃の価格は炭素鋼鍛造品にくらべ高値ですが、鍛冶職が激減しており後継者も少ないので、ハイテク工業製品を使う試み。ハイス刃先を研ぎ減らしてチビルまで遙かなる削り時間を楽しめる逸品。

 

鉋刃 仕込み角度 ノーマルポジションと筋違、鉋系統図

P1070795-1鉋系統図 立鉋20140706 -1

・甲 :刃角度が直角で逆勾配
・乙 :斜め刃仕込み「筋違」スジカイ

台鉋は刃が切れなくなると斜めに角度をずらして使いますので「筋違い」は初めから刃の仕込み角度を斜めに入れ手の動きを少なくしたもの。斜めの刃位置が際削りであたりをつけ易いというテスト評価もあり。昨年、木部洗いの「こそげ鉋」として使う職人もいましたが、木部の状態で刃裏の返しなど現場に応じて微妙な使いこなしが必要です。

仕様・ハンドツールコネクション頒布について

・鉋刃 (特注)兼房 KANEFUSA HSS ハイスピード鋼 H-E 9G3146993、パーカライジング黒染め

刃銘:「WOOD WORK SUMMIT + マーク」腐食シルバー着染、刃幅:50mm(呼び寸法)x 90mm L 、厚7mm -4mm T

・鉋台:白樫
・鉋刃台入れ角:直角、逆勾配一分コケ、逆勾配一分コケ筋違の二種類
・台打ち制作:青山駿一(青山鉋店 2004年7月 ) 台尻に刻印
・頒布価格:@32.000-
・頒布対象:指物木工職、大工、楽器製作、洗い屋、保存修復等の現業実務
・制作企画・デザイン、頒布:阿部藏之

・その他 詳細は、お問い合わせください。

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刃先デティール、プロの工夫 「木端・台裏面取りと刃先切り込みと臺ならし」

HINA大工舎 (松本市島内7715-1)朝比奈龍成の鉋刃口、プロ仕様 

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日本の平台鉋は、乾燥し、使い続けると中央部が凹み臺ならしをして調整します。臺が反ったとき、削り直す面積が少なければ作業が早くでき、両側下端を面取りすると鉋自体の削り抵抗も減ります。台下端の削る部分が狭ければ狂いが少なく、臺の調整間隔がずらせせて楽、つまり、道具のコンディションをよく保つことになるのです。刃口脇切り込みは、大工削り仕事に向いています。

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鉋削りモノが多い場合、このわずかな面取り刻みが威力を発揮。臺ならしの削り範囲が違うので、境界を刃先上台頭と下で切ると削りが早く確実にできます。現場のベテラン智恵、プロの工夫です。(最近の替え刃式は該当せず。)赤樫台:も作・共裏寸八 逆目が良くとまる秀作、白樫台:藤吉郎寸八

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 ・白樫台下端 臺ならし削り面積と下端面取り効果、反り変形比較

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通常の鉋台(青山駿一作)下端面取りは一分程度

白樫材独自の性質・物性

白樫材は、他の広葉樹とちがい「板目が柾、柾目が板目」の逆の性質です。追柾も鉋台に使う場合にも大きな差違はなく材の変形にあまり影響がない。木表(年輪之成長方向)は収縮率が木裏より大きいので、下端が凹になるように使い反りを低減し、狂いを抑えています。また、年輪幅の間隔が太い場合でも材質の変動は少なく、一般常識が当てはまりません。白樫材は、産地生育環境に差違はありますが物性は広葉樹の中でも不思議な性格を持ち、粘り気あり摩耗に強く衝撃を吸収、物を銜え硬く締める動きをしますので台鉋ボディ・武具や道具には最適材です。白樫は、日本固有樹種。同属はラオスなどにもありますが、樫目髄線向芯組織が細く緻密です。

*鉋は、全て青山駿一作  名工「神田も作、碓氷研吾、椛澤貞雄」等トップクラス鍛冶の刃物、平台鉋・役物鉋等をオーダーして収蔵、岡崎喜久治の手打ち鑢など順次頒布

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*通常、戦後の大工・家具木工職は平台鉋の臺ならしを荒・中・仕上げで調整していますが、青山駿一は通直にし臺裏を削りません。

・ウッドワークサミット  http://kurayuki.abeshoten.jp/produce/wood-work-summit-91

・青山鉋 -も作平台寸八   http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/3503

 

地剥き鉋 (國政13代自作)

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510Lx64(56)W x 23 Tmm  一枚刃・刃傾斜角度:36°刃先幅25mm,、鍛造炭素鋼  刃幅 33mm x 90 L x 6 T mm
溝しゃくり鉋ですが、臺ならしに近い用途で平面の一部分を削る地剥き専用。床面に敷居などを嵌める場合や框・帆立の一部分のみを削ります。力を掛け両手で押え削るため、長い握りの翼型。裏は、ミニ台鉋裏を突出した形状です。「臺ならし」より削り量が多く、部分削り・淺底取り・地剥き用として用意した造作用変形鉋。20020123 ABE

 

ⓒ2014, Kurayuki Abe

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※ 近日、著作権法改正による無断ダウンロードが制限されます。閲覧のみにしてください。

木の総合学研究 2014 – 2019  「木工道具・刃物」「逆勾配・コソゲ立刃鉋」「木の文化」「ウッドワークサミット」「かんな臺入れ」

 

 

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