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ライバル樹 山椒の木とウコギ 木の内科ー6
阿部蔵之|木とジョイントの専門家
10年生の山椒のお隣にヤマウコギが実生で生え、6年間の制空バトル。棘あり若葉が食べられ薬味成分の点で似ていますが、有用木でも内部組織・クオリティの違いがはっきり
市道沿いで枝張りが進み目立つようになると、春先、木の芽採り商売人が出没し、道路工事の市作業員が幹を切りとるようになりました。通行・草刈りに支障もでるので一部伐採しサンプル収録。山椒は、17年輪、ウコギは11年輪でした。
どちらも刺々しい枝張り、枝ハリ合う感じのバトルを繰り広げ、葉が茂り一つの藪塊になっていました。近くに住み着いた樹でも、相性良き伴立ちになる樹種もありますが、先住を殺す木もあるのです。山椒が飲み込まれて大きくなれないサバイバル状態でした。近くに住み着いた樹でも、相性良き伴立ちになる樹種もありますが、寄りつき先住を殺すこともあるのです。
野生山椒:樹高 2 m 地上10cm 元口径43 -50 mm 樹齢17yrs.
ヤマウコギ:樹高 2.3 m 地上10cm 元口径 55 – 57mm 樹齢11yrs.
ELEV 1370 m 支障木・芽吹き前伐採
山椒とウコギの内科 棘や実付き、生育地など近似
山椒の棘は枝にあり、樹幹には突起状のゴジラ皮が出てきます。木口は、蜜柑科の緻密な淡黄緑色。
ウコギ根は薬用強壮、若葉は和え物食、樹皮は酒造りに使われてきました。木口組織の色変化は複雑な色相で毒々しいという感じですね。実際に棘枝に触れると肌に炎症が起きます。樹液が髄と形成層切断木口面に薬物が吹き出てキラリ輝きます。舐めるとかすかにヒリッとした渋み、唇がしびれるような感じですが。日本の樹で毒木代表は、危険な毒空木があります。また、かぶれる漆の樹など有害なものは少なく限られ、この数種の例外を除けば、「木」は安全・無害が定性です。内材面カット画像は、まだ専門書籍にでてないので記録掲載。
伐採カット直後 生木 20140512 4日後二つ割り
6日後
自然乾燥84日目
樹皮下と髄に怪しく反射する浸出成分あり。
ウコギの棘は、成長するにつれて鋭利から鈍弧状になり、樹皮割れになると消えて行きます。水気のある日陰斜面に多く群生。
山椒の木
山椒の木 伐採後80日
山椒の木部は、蜜柑果樹色で透明感あり、緻密で綺麗です。伐採2日後から。淡い蜜柑色に。魚毒を消す薬理成分などが有ると文献にありますので、これからさらに研究されるでしょう。和食ハーブとして長い歴史がある自然食材のベストワン。
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木の総合学研究 2014 – 2019 「山椒とウコギの内科」「食・薬用樹木」「ライバル樹」
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