「木歴・木録」 | 木と人間の関わり | 木の内科
真樺ウダイカンバ優良樹の害傷自己治癒・伐採樹体内反応を診る Insight 木の内科−7
阿部蔵之|木とジョイントの専門家
真樺・Japanese Red Birch のダメージ自己治癒・樹内組織断面のオペ生木録。伐採後、芯材部赤身は緊急ガードERに動きます。
広葉樹が水揚げをはじめた春、 4月に伐採された真樺二本の原木丸太のカット木録です。玉切りだけでなく、さらに縦繊維方向板面観察のため34mm厚で挽材、優良樹の生の中身・木理を記録。製材所で板材面・断面画像を診るために撮影するキコル人はいませんので初めて公開することに。(34mm厚では、家具・工藝材料として利用度が高くサンプル残り材が活用できます。)産出地と伐期が明らかで素性のよい真樺原木二本口でした。
トップ画像は、A元木一番玉の元口(根元側)
二番玉の元口
伐採時の打撲切傷、ダメージ部分に非常内部・セルフキュアー治癒活動
芯材部から辺材白太を通過し樹皮へセルフキュア−色素移動が起き、抗体代謝物質が傷治癒・防御活動をしています。伐採時に打撲胴打ちや切傷があると樹内部では衝撃によるひび割れだけで無く、この色素・ヤニ移動も同時に起きて材質に影響します。
木口面:芯材から放射状に辺材部白太を抜けて外皮への移動・拡散がみえます。伐採から4ヶ月めのカット。元木に比べると、二番玉の木口面は芯材部からの赤身色素移動がなく、濃班色の脂部質?が、樹皮へ浸み拡がる。辺材部・白太をぬけて内皮に到達。水揚げ活動期の伐採で起きる激しい全身パッニック反応です。
A
A 元木 一番玉
A 二番玉
B 元木一番玉元口
同じように芯材部・赤身から樹皮に向かって湧き送り出す色素の流動がありました。
同じように芯材部・赤身から樹皮に向かって色素の浸出ありました。
教科書にはないない現生材記録。製材現場でみる臨死木材内部組織変動
原木内部の木材組織は、伐採後にダイナミックに活動し、波打ちはねるような芯材縁部の臨死変化が起きました。この目立つ樹内組織色変化は数週間から2月間ほど。シーズニング後、芯材部からの赤身色素移動により板にした材色は濃度が薄くなり材質は劣化。教科書や専門書とは違い、芯材赤身はみずみずしく、まさに生きているのです。
(マカンバ、別名ウダイカンバは鵜飼いのかがり火に使われ、一度火が回ると消えません。火力が強く、家具や内装・工藝用優良樹です。生樹皮は、火付きがよく、マタギ・キコリの山中サバイバル術の一つです。)
ベストマテリアルコネクション
材色 自然乾燥後の濡れ色
*サンプル材のほか工藝・家具・内装材として使用できる寸法で製材、黴止めマテリアルトリートメント実施 . 34mm 厚 真樺自然乾燥・建屋ストック材 をベストマテリアルコネクションで頒布していきます。
原木データ
A : 末口 400mm x 4.2 m 、 0.707 ㎥ @ 78.000 –
B:末口 380 mm x 4,4 m 、 0.635㎥ @ 78.000 –
樹齢約70−60年 二本賃挽代1.339㎥ / @18.000 = 24.102 – 販売製材 /(株)オグラ
*製材作業協力:渡部 豊 、加藤史典 200105031- 20010822
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木の総合学研究 2014 – 2019「樺の内科 – 樹幹内部組織の変化-2」「Japanese Red Biich- Insight 」「有用樹木録−2」
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