クラフトフェア | 工芸 | 木工
蒔田卓坪制作マリアスツール クラフトフェアベストプロダクト-7
阿部蔵之|木とジョイントの専門家
15 世紀中頃、ルネッサンス フレスコ画に描かれた「受胎告知」聖母マリアが腰かける修道院スツールからモディファイ、素朴な形をモダーン民藝スタイルに。
宗教画の装飾に満ちた構図のなかで、シンプルでマッシブな使い込まれた木のスツールは、実在感を強調する家具として描かれ、夢と現実を結び付ける重要な演出効果に気づきます。
プロポーションを変えたシンプルな低めの座面、安定した四方ころび脚。スツール、台座、置き台、踏み台、小卓子と多用途です。座面は臀部が苦しくならない微妙な座刳り、脚のスマートなR面取りで無垢材のボリュームを落ち着いたスタイルに。数多く継続して制作するとシンプルな形は少しずつ洗練されていきます。時間が完成度をさらに磨き、使い込むにつれ深い味わいが生まれてきました。
一脚づつ素材の質感、バランスを見ながら削りだし、ソリッド材の材質感・雰囲気を大事にした丁寧な作り。ベテランの手練れ作品です。頑丈ですが、あまり主張せず寄り添う物静かな存在で、モダーン・クラシック、和風・洋風いずれにもマッチする純木・順朴な作品。 10点_全て現有品
ウッドワークサミット1991 ゲストルーム腰掛け・プレゼンスライドスタンドで使用
Mr.Pierluigi Ghianda,Mrs. Francesca 夫妻、Mr.Kurt Naef、 Mr.Siegfried Schreiber 他 参加メンバーは自分でわかる 911012 AQ
仕様:
良質素材を厳選、3寸厚盤無垢材から削り出し、長期自然乾燥を経て荒取りシーズニング後に木取り。手鉋で面取りした木口はひび割れも起こさず、入念に仕上げられた作品です。手鉋仕上げ、クルミオイル、蜜蝋拭き 再研磨・手入れをすると綺麗な姿に戻ります。制作年代:1989 -2004 総制作数 35 脚、 ¥ 60.000 – ¥ 80,000 現在、13脚は松本エリアで使われています。丈夫で長持ち、200年はしっかり使えそうです。(使用品)
① 水楢 (板目) 500 x 395 x 305H 60T 7.8kg (初期モデル: 脚接合部は、通し枘・割り楔止め)
② 水楢 (中杢) 500 x 395 x 305H 60T 7.8kg (初期モデル: 脚接合部は、通し枘・割り楔止め)
③ 本桜(中杢) 500 x 397 x 300H 60T 6.8kg
④ 本桜(中杢) 500 x 395 x 300H 57T 6.7kg
⑤ 本桜(板目) 500 x 395 x 300H 58T 7.0kg
⑥ 栃(白)500 x 395 x 300 H 60T 7.7kg
⑦ 楡(白・柾目)500 x 395 x 300H 60T 6.0kg
⑧ 楡(中杢) 500 x 395 x 300H 65T 7.0kg
⑨ 楡(白・柾目) 500 x 395 x 300H 65T 6.8kg
写真撮影:カモフォトスタジオ 加茂一夫 20141116 AQ
蒔田卓坪 Handwork Chairmaker 経歴
1979 松本民芸家具退社
1980 High Wycombe STEWART LINFORD ウィンザーチェアー工房にて椅子制作
1981 蒔田椅子工作所 自営
1985 クラフトフェアまつもと開催
1987 松本クラフト推進協会設立 代表
1995 NPO法人松本クラフト推進協会理事
椅子屋まいた 390-1401 長野県松本市波田165-1
「通産省認定伝統的工芸士」翻訳は理解出来ない。Artcrafts分野の資格認定は政府のやることではない」
経歴書の英文チェック・リライトを依頼した同時通訳会社サイマルインターナショナルの若い英国人は「伝統工芸士のライセンス政府認定はおかしい。移民局審査官は理解出来ないだろう」と言います。日本では伝統的産業振興の行政支援政策であることを説明しても納得しませんでした。「アーツクラフト分野の活動は、Government のすることではない。民間の自主・自立生業を継続してきた輝かしい歴史をもつ伝統工芸の世界であり、統治行為の対象ではない。」ギルド産業社会、民主主義革命を経た歴史をもつ国のコモンセンスを知りました。工芸・芸術活動は、政府ガバメントが手出ししない領域なのです。国家資格にして大臣・知事が認定するとはおかしいと感じるのは市民社会の文化を知る人ぞ。
*Personal History A4 in SPKA LAID BOND 25% COTTON, January, 1980
WOKR PERMIT Department of Employment Over seas Labour Section 英国移民局労働許可書申請用履歴フォーム 、シンボルマーク作成・版下・製版・印刷 /AQ Design R&D. 阿部藏之
展示クラフツ作品 3D CAD計測/画像化の試み 20141025
計測・画像処理:長野県工業技術総合センター 環境・情報技術部門人間生活科学部 小林耕治
制作記録 楡材後期作品
脚部接合部・ダブル16mm+座板9mm丸枘 2011年11月 撮影:蒔田加代
絵をトレースすると写真画像では気がつかなかった意味深な部分が顕れる
マリアの額先奥に小さな窓があり外の世界には枝葉、修道院との接点が鉄格子入りです。
悪いものが入り込まない程度のジョイントスペースですが小さく窓を開けた構図は遠近焦点を開放する効果があります。
手を胸で組む天使は右前、マリアさまは、左前。左から目線がはいり右下のスツールが装飾を排除した異形な現実感を描き込む。腕のクロスは、神聖な伝言ボディランゲージの発受形とみました。
装飾をそぎ落としたシンプルな修道院のスツール日常の家具は、夢と現実を結び付け強調するメディアです。
腰掛ける木の座面は冷えず、母体に優しい。この座面高・サイズならば多目的に活用できます。
構図や形象意図を読み取り、隠れたイメージを掘り出す作業は脳力高揚の一時でした。
ⓒ 2014 Kurayuki, ABE
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木の総合学研究 2014 – 2019 「木工ハンドメイド家具」「木に座る」「クラフトハウスミュージアム収蔵予定作品」「CI Crafts Identification」
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