デザイン工芸木工

ワークショップのシンボルマークデザイン 才能と個性・美意識・実力を伝える工房の顔です

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

クラフトワークショップのシンボルマーク・ロゴタイプ・ビジネスフォームを整えることは、作品を際立たせ魅了することに繫がります。同時に美意識や才能など個性を表現。著作物の知的資産をガードするほか、存在感を高め知名度をアップする役務をになう重要なデザインプレーヤーです。

 木の作品にはイニシャルを彫り刻むことができ、シンプルな絵柄ならば型押し打刻・焼印も木部へワンポイントでつけられます。一般にシンボルマーク・ロゴタイプをデザインする場合、スタンプ・ステーショナリー印刷・刻印・型押し・焼き印・ラベル・パッケージデザイン、看板サイン・包装・バッグ類まで考慮してアプリケーションを用意します。企業のコーポレートデザイン・マーケティング・ブランディングも、はじまりはシンボルマーク商標からのスタートです。制作ボリューム・事業内容にふさわしいことは当然ですが、作者自身を表現でき、親しみがわくエレガントなものが好印象を与えます。シンボルマークは、分身として活躍してくれるオールラウンドスタッフなのです。
① 木工作家的職人 大門 嚴 バウ工房 シンボルマークデザイン 1988 – 2014

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 バウ工房(北海道上川郡東川町西町9丁目4-1 Woodwork Summit 1991 参加メンバー)
「Bau + Baum 工作と樹木」を文字書体で構成したシンボルマーク。木の素材や室内・家具イメージをスクエアー長形で表現。
 シンボルマークの基本形は円形や楕円が一般的ですが、木工分野の造形作品から想起する基本形状は長四角ですので、類例がない縦長形で作成しました。卓越した技能に裏付けられ、先駆的なデザインで新しいカテゴリーの木工作品を生み出していく作家的職人にふさわしいマークのかたちなのです。(作品集イラストは、大門 嚴 作画)
用途:サインプレート・ステーショナリー・パッケージ・パンフレット・作品集・経歴書 他  書体:Delphin No.1 Letragrraphica
デザイン・版下・製版印刷:AQ Design R&D.阿部藏之  1988 –
バウ工房作品と工房近影 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/5311

② 木工家具職 チェアーメーカー 蒔田卓坪 レターヘッドデザイン 1980ー1989

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蒔田椅子工作所 (長野県松本市波田165-1)
電算写植、A4 SPKA Laide Bond 25%Cotton 竹尾,アートコート紙 90kg 立ち梶の葉家紋の応用図形 用途:経歴書・名刺・パンフレット等に使用
http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/5881
デザイン・版下・製版印刷:AQ Desogn R&D.阿部 藏之 80o107

③ 松本民芸館 Matsumoto Folk Crafts Museum レターヘッド デザイン 1980 

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 Recommendation Letter  1980年1月英国政府提出書類限定制作
 工芸家丸山太郎が民藝コレクションを公開展示するため1962年松本民芸館を創設。私的な蒐集品展示施設のため当時、対外的なステーショナリー・ビジネスフォームがなく経営されていたクラフトショップ「ちきりや民藝店」の家紋イメージをレターヘッドに印刷。新局紙80kg 竹尾
デザイン・版下・製版印刷:AQ Design R&D.阿部 藏之800108

④ 樹人マーク 「木と人間のかかわり」 研究・販売活動のためのシンボルマーク 1991 –  2014  登録商標   第19類 2671267号 他

樹形・幹に人型を合成し、年輪と波紋で水の大地に立つイメージ・生存環境を表現
メッセージやコンテンツの報知をするInformationのi文字をダブラせてIsotype的な図形を
創作。用途:作品・著作物・Webサイトコンテンツ、印刷物・ステーショナリー・用具等に使用。Oakの葉形は、
デザイン: 阿部藏之 910626

Woodwork Summit 1991参加ゲスト作品

ミラノの木工芸家 Ghianda工房 のシンボルマーク1987 – 2014  

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 個性的な独自のシンボルはグラフィックデザインの可能性を拡げ、強い訴求・視認効果があります。ミラノの工房から届く作品の高級ブランド力を増幅し、ステータスをも顕すようになりました。
シンボルマーク・ステーショナリー・刻印・スタンプ・カタログ・パッケージ・他  1987−
ドングリ 「Ghianda 」の葉形、ファミリーネームを図形化 (縦楕円、白抜き・線形)
Design:Pierlugi Ghianda (Woodwork Summit 1991 美しが原ワークショップ・参加ゲスト ) Pierluigi Ghianda & C   20030  Bovisio, Milano    www.pierluigighianda.com/en/index.html
OAKの葉形は、Greenman 等、ヨーロッパ各地で民話や神話伝承の巨樹でもあり、強い象徴的なイメージをもつ親密な性格があります。日本では江戸時代から柏の葉が家紋につかわれてきましたが、樹材が似ており、意匠的にも近い図形です。

ウッドターニング轆轤 オブジェ作家 Siegfried Schreiber  HOLZOBJEKTE のシンボルマーク1994 -2014

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名刺・経歴書・パンフレット・作品集・他
回転する挽物 キネテイックアートクラフト作品のイメージを図案化 1999 -2014
Design:Siegefried Schreiber(Woodwork Summit 1991 参加ゲスト)
Ludwig-Richter Straße13, D-71665 Vaihingen/Enz , Germany    www.siegfriedschreiber.de

クラフトフェアまつもと出展参加・商標登録マーク

 テキスタイル作家 大山エリナマルケッタ染め織り工房のFinnsheep タグ1991-2014

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 テキスタイル作品はオリジナルが識別しにくいため、サインと工房マーク入りのタグをつけると見栄えよく、商品価値もしっかり伝え、完成度も高めます。個人で商標登録している工芸家はすくないのですが、類似品が多い分野では制作証明でもあり素材の品質表示もすることが基本です。http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/5609
クラフト工房がシンボルマークを商標登録し、販売作品につける事例は極めて少ないのですが完成度を高めている手本となるでしょう。小ロットでもネーム加工を専門メーカーに依頼できる時代になりました。

クラフツビジネスに必要な装い、工房スタイルのイメージ作り

 アートクラフト作品づくりには、ビジネス面では商標・トレードマーク使用も必要になります。造形のプロですので仕事を魅せ注目を集め、販売にふさわしい好感度の高いイメージをもつことが要求されます。具体的には、名刺から印章・サイン・パッケージ類まで応用範囲が広いので原版制作はアナログ版とデジタルデータを加工先などの用途に応じたフォームを準備します。

工房シンボルマークデザインの実際・実務

 ユニークなシンボルマークは、国際的なビジネスシーンやフォーマルな場所で創作能力をアピール、認知されるとともに、クレジットを添え、相手先にプレゼンする際にも有効なイメージ媒体として働きます。造形作品のみならず、作者の資質やセンスを好印象に伝える役割を受け持ち、時には説得力も発揮します。

造形のプロフェショナルとしてふさわしいシンボルマークやロゴタイプのデザインフォームが要求される場面も多くなりました。販売数量が増え、知名度が上がると独自の商号・トレードマークは商標登録して知的資産をガードすることが必要になります。

 Swissの玩具デザイン工房を世界ブランドに育てたKurt Naefは、木のおもちゃ制作工房スタート時は、自作のNaefマークを作品とトラックボデーにつけました。その後、販売が増えてから、会社のマーク・ロゴデザインをプロのデザイナーに依頼していました。「類似形や既存商標をリサーチしたり、デザイントレンドを普段から把握しており、他業の成功したノウハウを反映できます。素人のアイデアや判断を超えたデザイン戦略を具体化するので、デザイナーやカメラマンも専門職に依頼してきたことがビジネスを発展させ成功する要因だった」と感想を聞きました。
セルフの間合わせは安上がりですが、ビジネスの発展・拡大写真撮影・カタログ制作も同様です。現在、特許庁商標登録手続きも簡素化されネットで個人出願できます。PRだけでなく、ビジネスツール・知的資産としてシンボルマークを有効に活用する時代になりました。
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木の総合学 2014 -2019  「クラフトデザインワーク」「シンボルマークと商標」「樹木形マークデザインとブランド」「クラフト工房の知的資産・著作権表示」

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