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「木」のコレクション・コレクターズアイテム – 続  バウ工房 大門 嚴「木の箸置き」ベストクラフトデザイン

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

魅力的な多種類の木材を使いアートクラフト作品を創作。実用機能と美的要素に遊び心を会わせもつコレクターズアイテム・タイムレスクラフトデザイン

魅力的な樹種・材色を活かしてクラフト作品に仕立てることは、木工人ならば誰でも意図する創作テーマです。自然素材の質感・カラーバランスが造形的な発想を触発してくれますが、手にした芸術的なマテリアルは手仕事の内実を高揚するだけでなく、作り手は味わい深い歓びに満たされます。

色々な木材を使って実用性をまとい、食事時の箸運びと共に楽しめ、コレクションになるようにデザインされた「箸置木」ABE収蔵作品を紹介します。稀少材も取り混ぜた50種モデルは、個展で直ぐに全部売れてしまって、以後お目にかかる事がありません。

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  箸置きはかさばらず、デザインも多種多様、買い集めやすい小物です。身近で実用的で小さくカワイイのでコレクションの楽しみが続くアイテム。いろいろな種類があり、日本的な食の作法・もてなしが独自の造形カテゴリーを拡げてきました。食卓を彩るこの箸置きセットは、日常使用されるよりコレクションで購入されるケースが多いのです。

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① 木の箸置き50種セット  ウッドコレクション  バウ工房 大門 嚴 作 「 木の箸置木」

1998年10月28日 – 11月3日   新宿小田急HALCサロン  第二回個展にて発表

仕様:内部スライドトレー5段  、国内樹種、23種+輸入材28種(レーザー文字加工:裏面には、レーザー光線焼き加工で樹名をつけ、消えない刻印に仕上げ)
一段:キハダ(シコロ)、オニグルミ(胡桃)、ヤチダモ(梻)、ブナ(橅)、イチイ(一位)、クスノキ(楠)、イタヤカエデ(楓)、ミズナラ(水楢)、カシ(樫)
二段:神代(タモ埋れ木)、ヤチダモ(タマ杢)、エリマキ、マユミ、エゾマツ(蝦夷松)、マカンバ(真樺)、ダケカンバ(雑樺)、桐(桐)、シナノキ(榀)
三段:ゼブラウッド、クラロウォールナット、バーズアイメープル、レッドオーク、ホワイトラワン、サペリ、チェリーウッド、ソフトメープル、ハードメープル、ウォールナット
四段:ウェンジ、ブラッドウッド、レースウッド、ユーカリ、パープルハート、キングウッド、チューリップウッド、アフリカンパドック、ブラジリアンローズ、ローズウッド
五段:ブビンガ、ボゴタ、ペルナンブーコ、イタヤカエデ(鳥眼杢)、カリン(花梨)、ホンコクタン(真黒)、コクタン(黒檀)、シタン(紫檀)白太込み、シタン(紫檀)
下小引き出し:箸入れ部
箸置き:25 x 12 x 25mm (4g /桐 – 13g /黒檀 ) ケース:84W x 153H x 355Dmm   2kg
材種:水楢、ブラックウォルナット、メープル材
前扉板:倹飩(ケンドン)式把手:縞黒檀、ウレタン一液性オイル拭き
限定制作数:10個 @¥ 120,000 –    個展時完売

② 箸置き6個セット 1998 – 2014 ロングセラー 木のベストクラフトデザイン作品

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スマートジョイント組付け機構「ダイモンスライドロック」ケースデザイン

 上下対で江戸指物組手「鬢太天秤」ホゾ型を前後に送り、差締め固定する構造。蟻型ではなく天秤型の応用のニューメカです。相互に差込みカッチリ感触で締まる「ダイモンスライドロック」機構、デザイン処理もシンプルで独自の考案。固有ネーミングを付けました。
箸置き:25 x 12 x 25 mm ケース:25 x 34 x 326L mm  202g @¥ 10,000 –   材種:  ケース: メープル・蜜蝋拭き、箸置き6種 2014:ハードメープル・水楢・チェリー・神代埋れ木ニレ・ウォールナット・グラナディロ、1998 :イタヤ楓・水楢・神代タモ埋れ木・クラロ ウオールナット・花梨・ローズウッド
塗装仕上げ:リボスクリアーオイル拭き
  シンプルな箸置きの形に日本産樹種の淡色系から東南アジア・アフリカ材濃色堅木材まで貴重材で揃えたコレクションです。実用には少し豪華で、綺麗な樹木サンプルとして観賞する実用クラフト作品に。
6個セット現行モデルは、1998 年から現在まで継続制作のロングセラー。スタイリッシュなケース構造は、定番・タイムレスデザインとなりました

「作家的職人」の第一人者が切り拓くオリジナルウッドワーク

 「作品を見れば制作者がわかる 」卓越技能と独自の木の使いこなしは、優れたデザインセンスとともに従来のカテゴリーを越えて秀作を生み出してきました。特注家具制作業務の傍ら、クラフト・家具デザイン部門でコンペに応募出品、数々の入選・受賞を重ねています。
 私と大門 嚴との出会いは、クラフト&デザインTANNO 丹野則雄の紹介で、1985年6月の個展「木のジョイントシステム・國政流変形枘・逆枘組手系譜 /ギャラリースペース21」展示パネル台の制作を依頼した時でした。同時進行していた「木と人間のかかわり展・1985」(日本デザイン学会家具木工部会開催)のプロデュースで作業は多忙を極めておりましたので、サポートしてもらい個展も同時に開催することができました。以来、友人・相棒として相互にサポートしてきましたのでバウ工房・大門 嚴の創作活動の軌跡を順次紹介します。私見ですが、現代木工制作家、作家的職人のトップレベルの才能であると評価しています。

大門 嚴 略歴

1953年 北海道生まれ
1969年 道立旭川高等職業訓練校木工科卒業
1970年 木工家具職  ~1987
1973年 第21回技能五輪国際大会 第3位 (西ドイツミュンヘン) XXI Concurso International de Formacion Profesional、Munich
1974年 旭川市新人奨励賞受賞
1984年 「木の椅子は語る-そのかたちと意味」展 (北海道立旭川美術館)
1985年 日本クラフト展、アトリエヌーボ展等 入選多数
1986年 北国の手作り大賞 大賞受賞 ”木ロス(花台)“
1988年 工房設立 (アートクラフト バウ工房)
1991年 ウッドワークサミット美しが原1991参加
1992年 「はこで考える・あそびの木箱展」”パウダーBox” 朝日あそびの木箱賞受賞
1994年~ 96年 京都・東京・札幌、他各地にて個展を開催
1997年 沖縄工芸指導所 中小企業研修 木工コース講師
1998年 個展「大門 嚴 – 北国生まれの木の家具たち」小田急美術サロン、作品集出版
1999年 「朝日現代クラフト展」”木ション”招待出品、「國際家具デザインコンペ旭川’99」”格子テーブル”入選
2001年~2004年 個展(葛城・北の丸ギャラリー・静岡県袋井市)
2002年「IFDA国際家具デザインコンペ旭川 ウッドスプリングチェアー入選」「朝日現代クラフト展」“木ションスツール”招待出品
2004年 「100m² GLEICH max展」 “ウッドスプリングチェアー” 招待出品 講演会
ドイツMARTa美術館 パーマネントコレクション
2006年 第1回「君の椅子」プロジェクト 東川町 椅子の制作担当 (デザイン:中村好文)
2008年 「IFDA国際家具デザインコンペ旭川」入選
2009年 「君の椅子」プロジェクト 東川町、剣淵町 息子和真と共に制作担当(デザイン:小泉誠)
2011年 新工房・作品展示室開設
2014年 東川町立東川小学校新校舎壁面アート「虹の樹」制作

アートクラフト・バウ工房

〒071-1425

北海道上川郡東川町西町9丁目4-1 

Tel:0166-82-2213      Fax:0166-82-2213

新バウ工房 ・2011 秋

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「日本の木」50種コレクション

「日本の木」50樹種コレクション

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木の総合学 2014 – 2019  「木」のコレクターズアイテム」 「ベストウッドクラフト作品」「ダイモンスライドロック・スマートジョイントケース」「クラフトハウスミュージアム収蔵予定作品」ABEギャラリー201409

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