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小柿の伐採木口反応・芯央黒柿からのセルフキュア_黒柿タンニン成分の生成・分泌 木の内科 -11
樹体の損傷修復・治癒反応は、活動をはじめる春先に激しい動きを起こし、芯央部からだけでなく樹皮下層も連動してタンニン放出をみせる。小柿渋柿は、材色変化、黴つき、反り捩れ、クラックを生じ、タンニン成分が溢れ、抗菌・ダメージ抵抗力が有り、生命力高くも材質暴れに難あり。
柿は、生木内部が空気に触れると見る間に材色が変化し、タンニン(クロ柿)の組織移動で芯材部周縁は変形します。この散孔材の年輪は鮮明ではなく、黒い周縁層から分泌した色素は、樹皮に向かって放出され薄墨カラーに。樹皮下層から芯材部は激しい損傷治癒反応をおこします。
損傷ダメージをうけ、割れ穴・クラックから浸水した芯部をガードするためタンニンが周囲に凝集して黒柿層を形成。芯材部だけで無く、辺材部・枝までタンニンが吹き出ていきます。白太辺材部木端に吹きだした白班はやがて褐色に。黒柿杢目を創り出すために、打撲外傷を付ける木地師もいました。民家近くの産出で樹皮が綺麗に整っています。渋柿は、一時的ですが材色も黄色味が強く、色変化もはっきりでます。
芯部の黒柿杢が活かせれば利用価値もありますが、春先伐採では、白太は暴れて変色激しく、手に負えません。 小柿(里木)87yrs. 元口径 : 450mm x 末口300mm x 枝下3m 造園職伐採
黒柿の生成・分泌_根系も蓄積
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