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「ドイツ木材情報サービス」「木」のベストブック-11

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

INFORMATIONSDIENST HOLZ  木材情報サービス

 自然生物素材の姿、木のある暮らしの魅力や環境を前面に出して、従来の材料的発想や産業技術・経済ベースからの離脱が始まる。当時の環境汚染・森林破壊問題から、木材の環境価値がクローズアップされる時代へとシフト。従来の「Holz・木材」を「baum・樹」、森林・生活環境面から取り組む方向へと拡張変化する動きを見せ、プロ編集者とデザイナー・写真家が制作に関与した斬新な樹種別の便覧セットが目を惹きます。(ドイツ国内自生樹・木材21種の情報便覧)

発行:Arbeitsgemeinschaft Holz eV(木材産業共同体) Düsseldorf / CMA  Centrale Marketinggesellschaft der deutschen Agrarwirtschaft mbH.(ドイツ農業経済中央マーケティング機構)Bonn
広報展示・頒布 Interzum Köln メッセ 1985, 1987
書冊  21 材種編 体裁:A4 Z折り DM 35.0-
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・前付けタイトル:自生の木材 バラ綴じ収録版(国産樹木プロファイル集)
                     樹木の基本形と木材説明、容貌と用途

自然素材の魅力、優れた用途をやさしく専門的に伝える

技術開発成果の紹介や木材産業プロモーションのための情報冊子をまとめたファイル本です。自然環境と樹形、ボタニカルイラスト、製品用途、工芸アート作品や住まい、伝統民俗的なストーリーに木材の性質・解説データをまとめ、プロの建築設計・エンジニアから家具メーカーや学生、一般ユーザー向けに綺麗で分かりやすく編集デザインされたドイツ国産材の樹種解説シリーズ。
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初版内容 21樹種 (針葉樹6種、広葉樹 15種)

1.Fichte ドイツ唐桧(Spruce)
2.Kiefer  欧州マツ
3.Lärch  カラマツ
4.Buch  ブナ
5.Eich  アイヘ(Oak)
6.Esche  トネリコ
7.Rüster(Ulm)ニレ
8.Ahorn カエデ
9.Tanne モミ
10.Douglasie ダグラスファー
11.Weymouthskiefer (Strobe)ストローブマツ
12.Kirschbaum サクラ
13.Pappel ポプラ
14.Weid ヤナギ
15.Lnde 菩提樹
16.Hainbuche イヌシデ
17.Birke カバ
18.Nußbaum オニグルミ
19.Erle ハンの木
20.Roßkastanie トチ
21.Robinie(Falsch Akazic)ニセアカシア
 この他、Platane プラタナス、Birnholz 洋ナシ、Wildobst-baume 野生果樹類は、工芸材や非建築ハウジング用材扱い。樹名は、日本の固有樹種と同属・同名でも材質等の差違があります。( 再版1987 年では針葉樹を先に置き、No.4 から広葉樹を後に揃えて番号入れ替え。初版当時は、順序を気にしない編集。)
 ドイツ国内自生自然有用樹は、氷河期と中世から近代の乱伐で樹種が限られています。産業用材は、松kiiefer に2種(二葉、五葉)、ブナ赤・白(Buch)2種、カエデ(Ahorn)は3種、カバ(Birke)に2種、ニレ(Ulm)に3種、ポプラ(Pappel)に5種、ハンの木黒・白(Erle)に5種、ヤナギに6種、などをリストに含めると37樹種ほど。国土地勢の起伏が少なく、材料の性質を把握し標準規格体系化が進んでいます。説得力のあるプレゼンマテリアルは6 年間増刷り、好評でしたので綴じて一冊になりました。
(日本は樹種が多く、南から北の長い急峻な国土に生育環境条件の違いがあり、個別樹種の全てを総合的に調査研究した最新のデータは未だありません。)

裏面ページ : 個別樹種の性質データ  TanneとAhorn

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DINドイツ工業規格に準拠、充実した最新のデータ・引用が記載されています。

性質表

密度(比重)は、絶乾、気乾、生木別に「低 – 中(平均) – 高」の三段階で数値を表示。

弾性率、耐圧性、引張強度、曲げ、剪断力、消失質量、膨張率、熱伝導率、pH 等。

許容応力 針葉樹(欧州産材)と積層材の用途グレード別・物性比較表

曲げ、引張り、圧力、切断、推力(スベリ)試験規格

この他、類似樹種との識別・特徴比較があります。
*DIN Deutsche Industrie Normen  木材に関するドイツ工業規格 (1985 – 1987)
DIN 50014-20165-1
DIN 1052
DIN 4074
DIN 4108
DIN 68364
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「INFORMATIONSDIENST HOLZ  」1981- 1989 木造設計技術・デザイン資料

コンテンツ:建築・ハウジング用木材の活用技術情報が主体
木材に関する最新情報、プロダクトインフォーメイション   新家具用材・ボード・構造材・ジョイント店舗・工場   建築木構造、大規模架構応用技術データ  扉・窓開口部、階段、浴室、外構、住宅装備、遊具  歴史建築の再生・修復工事 床・壁・天井 音響・遮音・断熱設計、施工技術 他
建築・ハウジング用材料・設計技術資料(63)の他、ファクトシートや販促サンプル・ポスター・映像を提供。(配布対象:建築系専門家 及び 一般希望者)
  (現在は、「 INFOMATIONSDIENST – HOLZ – de」で ハウジング・建築構造の刊行物 (pdf)をWeb検索できます。)
このような個別樹種のプロフアイル日本版をウッドワーク以外のメディカルやバイオ、アート・文芸・歴史。「木の内科」の実相も入れて編纂・制作したいのですが、樹種が200-300となると「き」が遠くなります。
制作部門に直接伺うと現場力を察知でき、他の有用関連資料も見つかる
1987年5月、全ての冊子を購入するためデュッセルドルフの本部へ。ご担当は、「政府予算が使われており、国外頒布は出来ない」と堅いことをいうので、メンバー会員相当になればと提案。年会費を支払い、全ての1981年からの刊行冊子を揃えて購入できました。顔が見えないと意図が伝わりません。
発足当初、意気込みが熱い頃の貴重な資料です。実際に訪問すると構内見学ができ、設備や収蔵図書など実際の様子がよくわかります。書面やWeb サイトでは一部分だけで雰囲気やプロジェクトの全容がつかめず、最新の研究開発や木材加工テクノロジーはドンドン変化してきており、昔の教科内容や学説・常識がゆらぎつつあるのです。
*日本の主要木材比重値データは、専門書にも平均数値一つしか出ていませんので精査することが必要です。
*BuchはBookの語源ですが、薄板を本にしたところから。Boston Red SocksにピッチャーBuchHolzブナ材さんがいます。Buch Baume はブナの樹さんですが匙の木さん他 樹人名が見つかります。
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木の総合学研究 2015 – 2019 「ドイツの樹木と用途、性質」「自然生物材料と環境資源」「木材の工業規格」「木材総合資料」

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