「木」とともに生きる | 木と人間の関わり | 木と文芸
「百人一樹 」随想集 木のベストブック-13
阿部蔵之|木とジョイントの専門家
「樹」をテーマに作家・俳人・画家・写真家・映画演劇人・音楽家・木工芸家・建築家・林学林業関係者・評論家 著名人100人の明治・大正・昭和三代による一本の樹に寄せる深い思いを収めた全書き下ろしエッセイ集 日本図書協会選定図書
百人一樹
発行:書房「樹」1983 (昭和58年)企画・編集・発行:小高達雄 B6版 p.278 – p.294 105w x 189H x20 Tmm 上製本 三分冊 @1,800-
表紙題字:篠田桃紅 / 装丁:小高達雄
上巻:一月発行 ISBN 4-915577-09-9 中巻:五月発行 ISBN 4-915577-10-X 下巻:11月発行 ISBN 4-915577- 11-2
・尾崎一雄 宗我神社の松
・島田謹介 木犀
・畦地梅太郎 椎の木と共に
・更科源蔵 はるにれ
・佐多稲子 欅に寄せた心情
・与太淳一 トチノキ礼賛
・神保光太郎 薔薇の木と柿の木と
・内村直也 白樺
・中村武志 椎の木と乾盃
・飯沢 匡 ブラッシュの木
・宮 柊二 よろんがし
・篠田桃紅 欅
・富士正晴 中国での竹
・木下順二 樹について
・関野準一郎 ポプラ
・清家 清 神々の樹
・足田輝一 武蔵野のケヤキ
・水上 勉 百日紅のこと
・三好豊一朗 路地の欅
・瀬戸内晴美 インドの大樹
・岩崎京子 家に寄りそう木
・神沢利子 わたしの林檎の木
・いぬいとみこ 金いろの雨
・中野孝次 辛夷
・杉本苑子 沈黙と呪縛
・前 登志夫 杉 明るい清浄感
・安野光雅 しだれ桜
・馬場あき子 椿
・松永俉一 ペンセアニ
・澤地久枝 夏みかん
・井出孫六 落葉松
・山田太一 桜
「中巻」
・芹沢光治良 泰山木
・北川冬彦 薬樹 枸杞の木
・山口誓子 メタセコイア
・荒垣秀雄 屋久島の大王杉
・桑原武夫 樹木随想
・藤沢桓夫 皂萊
・入江泰吉 日本の花 椿
・滑川道夫 成蹊のケヤキ
・山本健吉 霧の中の杉林
・藤枝静夫 熊野の長藤
・田中澄江 はくれん
・天野 忠 鐵脚梨(木瓜)
・中里恒子 竹
・四手井綱英 ブナの木と森
・新藤兼人 柿
・近藤芳美 朴の花
・奈良本達也 椿
・寺田 透 黐の木
・平山三郎 ヤナギ・サクラをこきまぜて
・伊藤桂一 黄土の中の桃
・柳田冨美子 父の残した木とわたし
・吉田光邦 オアシスの樹
・塚本邦雄 針葉樹
・松谷みよ子 柿の木
・八木柊一郎 雑木林と竜舌蘭
・宮脇 昭 イチイガシ
・飯島耕一 オンブー
・篠田正浩 桜
・今江祥智 花梨まで
・大島 渚 松
・牧野和春 榊の若木
・田原総一郎 土手の桜
・秦 恒平 名樹散椿
「下巻」
・井伏鱒二 大三島の樟の木
・中村汀女 栴檀と榎
・鶴田知也 アカシア
・春山行夫 回想の樹々
・中野好夫 ノウゼンカズラ
・加藤楸邨 山刀伐峠の樹
・真壁 仁 新緑のブナの森
・宇都宮貞子 サンシュ
・大岡昇平 おお、ケヤキ、なんじ病めり
・まど・みちお カイ諸島の樹
・澤野久雄 ドナウ川にほとり
・串田孫一 珊瑚樹
・大竹新助 葉を落とすものの美しさ
・小原二郎 マツの盛衰
・矢内原伊作 リョウブの花
・堀 文子 公孫樹
・加島祥造 好感
・堀口星眠 栃の木
・田村隆一 楡
・牧 羊子 木ぐるい
・上田三四二 沙羅
・今西祐之 どんぐりの木
・松山善三 傷だらけの柿の木
・鮫島惇一朗 赤エゾマツ
・西口親雄 シナノキ
・中村 稔 日光植物園のリョクガクサクラ
・岸田衿子 絵本になった木
・杉本俊太郎 むくろじ
・谷川俊太郎 自作から — 樹
・梶山俊夫 胡桃の木
・司 修 宇宙樹
・早川謙之助 檜
・稲本 正 楢(オーク)
あとがき p.283
多くの文芸界著名人とコンタクトが有り、なぜ「樹木」への傾斜・出版を始められたのか 原子力政策への危険性警告と良識からのコミットメント
この質問に小高さんは「1963年頃から1976年ごろまで十数年間、東京電力会社の広報誌グラフィックデザイン・編集の仕事をやってきたので業界に繫がりが多い。長年、電力業界の動きを具にみてきたので内部で実体を知り得た立場から、危険性を訴える論評や発言を広げると、次第に仕事が来なくなったこと。原子力発電反対のうねりは社会現象となるが、エネルギー政策は原子力発電一辺倒になる。やがて破滅への傾斜進行を憂い、失望して電力産業の仕事を放棄。いずれ、このままでは済まない大変な事態になる」と危惧されていました。大量生産・大量消費に明け暮れ止まず、原発を含めた現代文明にする反発の精神的土壌から、工芸品や民具・自然との関わりを捉え直して「樹」の雑誌刊行を考えつき、小規模出版社を立ち上げた経緯を「樹」第6号編集予記 p.82・84 (1981/6/8 )に記述。新聞・雑誌への投稿・寄稿の他、樹木に関する工芸・芸術作品を集めた「樹」展(大阪1981)を企画したり、雑誌・絵本・単行本出版を手掛けました。
「木と人間の関わり展・1985 」新宿京王プラザホテル(日本デザイン学会・家具木工部会主催)の大阪開催をサンケイ新聞社事業部長へ推挙するため、同行していただいたこともありました。「木と文学・芸術」というカテゴリーは、レクチャーするには手にあまり、翌年からの木の大学講座に登板していただくタイミング・余裕がなかった。イデオロギーを持ち込まず、自然と文化を愛する編集者を希求した孤高のお一人でした。札幌市出身。
1985年 4月 玉川上水 紫橋上にて
その他の作品
写真絵本「ふたごのき」
写真:姉崎一馬 文:谷川俊太郎、企画・編集:小高達雄 出版:書房「樹」 初版 1982 6月5日 ハードカバー 255W x 246H x8T mm p.18 1,200 –
*「ふたごのき」に寄せて
水上 勉(帯裏)
ふたごの木は、丘のてっぺんでいろいろなことを語り合い、夜も昼も、雨の日も風の日も、冬も夏も、仲良く生きる。ふたごだからいろいろなことを考える – – – .自然と人生を考え深める詩人と、樹木にとりつかれた写真家とが、手をとりあってうたいあげた、これは命のはなやぎだ。大人も子供も、心を打たれるだろう。生きることのすばらしさを学ぶだろう。純度の高い絵本の誕生である。(帯表)北国のある丘の上に小さなサクラの木が、−−−。
グラフィックデザイン分野から創作絵本を手掛けた魁け。木のベスト絵本リストアップ予定です。
「一人一樹」 「自分の木」を定め、さらに語り臨むサイト構想
都道府県や市町村には、シンボルツリーを制定しています。県の木、町の木があるですから、「自分の木」を決めておくのも良いのです。紋章のほか、ドイツや北欧には立樹を自分の分身・友人として決める習慣もありましたから。因みに、地域・環境、文化圏で樹種や好みがはっきり出るでしょう。日本の名字・名には、樹木名が約30%もあり、紋章意匠も多いのです。
更に、樹木との関わりについて、誰でも投稿でき、語り置けるwebページを設けるのも一案です。
「自分の木」投稿が永遠名誉番号になるのはいかがでせうか。ここに100席、書冊「樹」には56人寄稿があり、次席キ稿は、No.157から。木の国・木の文化を香り高く表現する樹言・き紋となるでしょう。工人、キコリの親方や宗教者、政治家の言説も伺いたい。
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木の総合学研究 2015 – 2019 「木と文芸」「樹木と人のかかわり」「木の秀作絵本」
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