「木」と芸術「木」のミュージアム修複・保存

木の大学講座・特別講義2017 受講のご案内 「木」と修複・保存 | NY近代美術館修復師 A Lecture on MoMA Conservation by Roger Griffith(追補-3)

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

受講ご案内

「木」と修複・保存 特別講座 in 松本

MoMAニューヨーク近代美術館修複保存部門のAssociate Conservator Mr. Roger Griffithが6ヶ月のSabbaticalで来日し、現在、日本各地や香港・韓国の大学でのレクチャーやシンポジウムに参加され、交流・研究活動を続けています。

松本には、先日、クラフトムーヴメントや建築・文化財の視察・取材のために来松。五月末の「クラフツフェアーまつもと」にも再訪します。

そこで、5月27日(土)の夕方、クラフツフェアー当日、会場にあります「県の森文化会館本館」(旧制松本高校・信州大学キャンバス跡地の重要建造物)にて修複・保存に関するレクチャーをしていただくことになりました。現場からの様々な知見、世界トップクラスの豊富な話題が楽しみです。世界のモダンアートを牽引する美術館の表から見えない、実際の仕事を見聞できる絶好の機会です。

1985年クラフツフェアーのイニシエーションから33年、こういう授業には最もふさわしい旧大学校舎ですし、野外直売場などと宣う、脚けり・風評をよせつけず、ハイレベルのプログラムを接ぎ穂いたします。世界最先端のConservation から、新しい処方やテクニックも手仕事に反映し活かせるのです。「Arts & Craftsは、次世代へ手渡す文化遺産です。」UNESCO レポートより

2017年3月27日 木の大学運営委員会代表 阿部藏之・平田哲生/ 20170428 追補

 

□申込み書送付先:〒390-0222 松本市大字入山辺8961-2088   AQデザイン開発研究所内

木の大学運営員会  TEL : 0263-31−2001     電送の場合 e-mail : abe@aqdesign.jp

□PDF添付

木の大学講座(Binf_6              木の大学講座特別講座2017 関心・質問内容 -2

木の大学講座申込書B6_02

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※追補:目から鱗のイクスカーション – 卓越練達の工房現場、本職の第一人者を訪ねて

レクチャー後の二日間は、三代続く伝統の貴重な手仕事「保存桐箱製作本職」「藍染工房」や「小さな村のセンス溢れるワークショップ」(造形木工オブジェクト・陶芸)を訪問予定です。(参加随意)

28日(日)午後 桐箱制作所  訪問見学 /  上田市(大正時代から三代続く伝統工房)絵画の保存額装工房/東御市を訪問 夕方に松本へ戻ります。

29日(月) 午前中  松本市内の藍染工房(三代目)、午後は造形木工・陶芸工房(大町市(旧美麻村)を訪問し、夕方解散予定。

(車両乗り合わせ移動、交通実費精算)参加人員に応じて変更があります。

今回は、国際ジャーナリストの取材予定もあり、手仕事に精通したプロフェショナルがご案内板します。若干名の同行参加可能(交通費実費) 20170428 ※詳細は、お問い合わせ下さい。

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MoMA 1999 : Conservation of Moulded Plywood Glider 1943     ABE990325

Charlotte Perriand and Le Corbusier | Conservation of “Kitchen”  2013/05/02 MoMA

 

Presentations Offered by Roger Griffith

The Eameses’ La Chaise and its delayed production: a technical study

ABSTRACT: This paper describes the manufacture and history of the lounge chair La Chaise by Ray and Charles Eames, a midcentury design icon that has only been available to consumers since 1996, half a century after it was conceived. Answering a post-war demand for economical furniture, the prototype was one of several chairs the Eameses entered into the ‘International Competition for Low-Cost Furniture Design’ at the Museum of Modern Art (MOMA) in New York in 1948. Housed in MoMA’s study collection since 1973, the La Chaise prototype has recently undergone a technical examination by the Conservation Department. This analysis, including cross-section microscopy, X-radiography, scanning electron microscopy with energy dispersive x-ray spectroscopy, and Fourier transform infrared spectroscopy (FTIR), combined with study of the Eames’s extensive documentation of the processes used to make the prototype, has provided insight into the chair’s construction and its delayed production. Comparing the materials and structure of the 1948 prototype with a piece of the contemporary edition, produced by the German furniture manufacturer Vitra, MoMA conservators investigated the alterations made to the chair 50 years later and their aesthetic consequences. The study has also illuminated the Eames’s intuitive creative process and the history of the prototype, whose overall color changed several times before it was mass produced in its now iconic white.

https://www.youtube.com/watch?v=1FZZrxS9N0Q

https://www.moma.org/explore/inside_out/2013/04/03/le-corbusier-kitchen-conservation-examining-the-cross-sections/

https://www.moma.org/explore/inside_out/2013/01/07/le-corbusier-kitchen-conservation-dismantle-reconstruct-and-conserve/

https://www.moma.org/explore/inside_out/2013/02/07/le-corbusier-kitchen-conservation-getting-resourceful/

修理・修繕・復元、転用・修複・再生へのシフトへ

昨年秋、スウェーデン政府は、新しい買換えから、修理消費減税へとシフトする政策を発表しました。消費を加速して財政運営を図る生産・消費経済構造は、立ち行かない限界に達したという判断です。

新製品を「買え替え、飲め喰え使え」メデイアには広告宣伝が溢れ、ゴミが世界を埋め尽くしています。

修理、再生は、別に新しいことではありませんが、現代社会の基盤がゆらぎ、資源が使いはたされ、ゴミ化を許容できない領域にあるという、未来からのメッセージとして受けとめています。

先進の江戸時代には、道具衣類は、もとより、糞尿、反古紙、灰まで買い集め、再利用していたのでした。独自の高度な生活文化の歴史があります。

アート作品の修複・保存は、美の世界ですが、Conservationの仕事から再生・持続・循環にハイライトをあてたいと考えます。膨大な専問知識と卓越した実作技能を必要とする高度な仕事から、見落とされ気がつかない本質の再発見や新しい手法が生まれると思料します。本来は、トラブルや修理にも配慮し、回復・修複が出来るような仕様が望ましいのです。

因みに、Repair  Restore  Recycle  Reform  Reuse  Recover  Reduction  Reaction  Reflection  Refine  Relation  Refresh  Release  Resource  Reservation  Resolution  Respect  Rest  Retreat  Reveal  Relax  etc. 「Re」接頭辞がつく語彙には共通のイメージ「命の持続」があります。「Re」の時代へ向かうイニシエーションを感知して、この特別講座を開催することにいたしました。

アートクラフツ、素材、色彩、制作技法をはじめ、科学的分析技術、歴史・文化など多分野に精通し、包括的で高度な手法を用いるジョイントワークを創作する側から学べることも多いのです。

■通訳 Interpreter

加藤多美子  Tamiko Kato 略歴

愛知県在住

20 年前よりアーティストの通訳および図録翻訳等に携わる 芸術大学の国際交流勤務により、美術・デザインのアーティストのレクチャーおよびワークショップの際の通 訳、図録の翻訳をより多く手掛ける。 2015 年には、ミュージシャンのコンサートのプロモート、ワークシ ョップの際の通訳なども担当し、現在に至る。

ここ数年に携わった通訳・翻訳

20145月 吉川正道氏(陶芸家)図録翻訳

20152月 Mr. Don Lewis(キーボード奏者・エンジニア)来日コンサートのプロモート、 および通訳  

2015 11 月  神戸峰男氏監修 「Life Drawing」共同翻訳・編集

2016 7 ~2017 3 月 ブライトン大学(UK)・王立キングモンクット工科大学ラカバン(タイ)・名古屋芸術大 学(日本)による 3 大学交流巡回展覧会「版の方法論:50×50=75」およびシンポジウム・ ワークショップ参加および通訳(各国巡回同行)

2016 10 月 プロジェクト「The Kunsthalle and the Villages(デンマーク)においてコーディネー ト、書道指導および通訳(ワークショップ・レクチャー)

20173月 「ファン・デ・ナゴヤ美術展 2017」カタログ翻訳

20174月 「ファン・デ・ナゴヤ美術展 2017」カタログ翻訳 Steen Rusmussen 氏来日展覧会およびレクチャーの通訳

20175月 Roger Griffith 氏(MoMA コンサベーター)によるレクチャーの通訳(名古屋芸術大学デザイン学部)

配布予定資料:


① Biography 略歴 和訳
② Presentations offered by Roger Griffith 修複保存プレゼンテーション事例の解説 10件 対訳
③ Glossary of Conservation 修複保存専問用語集 対訳

レクチャープレゼン資料、修複ベストブック

□ Eileen Gray’s Screen

 ,

「The Folding Screen 」

by  Charles Hemming with Mark Aldbrook  ,  Rizzoli NY 1999

ISBN 0 8478 2179x     p.144    243 x 298 x 18T mm

ラッカー・漆のブリックスクリーン作品

□Charlotte Periand and Le Corbusier

「CHAROTTE PERIAND An Art of Living」

Edited by Mary Mcleod HaryN. Abrams,Inc NY   2003

 ISBN0 – 8109 – 4503 – 7  p.304   240 x 287 x 28T mm

コルビジェとの共作キッチン家具プロジェクト修複保存記録

□ Eames Design 「La Chaise」

「Eames design The work of the office and Ray Eames 」

John Neuhart Marilin Neuhart Ray Eames Edited by Charles Miers

Harry N. Abrams Inc., Publishers, New York 1989

ISBN 0 – 8109 – 0879 – 4     p.465     227 x 300 x 31T mm

「Prize Designs for Modern Furniture 」

from the International Competition for Low-Cost Furniture Design

by  Edgar Kaufman, Jr.

THE MUSEUM OF MODERN ART NEW YORK 1950

MoMA国際家具コンペ1950 エントリー作品の製品化課程ケーススタディ

□Restoration and Conservation 事例文献

「The Minibar from the Kutubiyya Mosque」修複・保存記録

 

Jonathan M.Bloom; Ahmed Toufiq; Stefano Carboni; Jack Soultanian;

 Antoine M.Wilmering, MarkD.Minor, and Andrew Zawacki;

and El Mostafa Hbibi

The Metropolitan Museum of Art

Ministry of Cultural Affairs,Kingdom of Morocco  1998

ISBN 0 – 87099 – 854 – 4    p.114  238 x 314 x 17T mm

 MoMA990325

「RESTORATION recipes」修理レシピ本

by Jukia de Bierre and James Bain Smith

Quadrille Publishing Limited London 1999    ISBN 1 902757 03 3

「修複・再生・保存」のためのアートクラフツ原典・原資料(ウッドワーク)

エジプト王朝発掘遺品の実測記録文献、19世紀フランス Menuisier 建築・室内・家具指物大工、イギリスCabinet Making、世界戦争復興出版のドイツの木工・家具・室内建築分野の歴史図書、及び、日本の明治期資料は当時の先端技能ですが、時代を超えて系統だった基本テクニックが伝わります。修複だけでなく、現在の仕事にも示唆に富む手法が多く、デザイン・制作上も役立ちます。所蔵資料を開示紹介する予定です。

 ※レクチャー内容は、現在編成作業中です。添付の関心・質問内容を反映したいと思います。アートデザイン分野の通訳と専問家の解説をはさみつつ、わかりやすく進行します。20170517 ABE補足

 

アートクラフツマテリアル、デザイン用具、撮影用品、木工具や内装工事用ツール・副資材などには、修複作業に使うと便利なものがありますので、当日ご紹介します。

※ 受講のご連絡は、問い合わせ欄からできます。尚、業務派遣の場合は非営利制約があります。

木の大学講座   http://kurayuki.abeshoten.jp/produce/ki-no-daigaku

協力:須藤崇文、箕輪知也、二宮大輔、丸山聡子

通訳: Ms.Tamiko  Kato

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木の総合学研究 2017 「木の修複・保存」 「MoMA ニューヨーク近代美術館の修複保存について」「木のアートクラフツ修複・再生の基本技法専問参考図書」「修複用手道具・関連資材」

 

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