「木」のミュージアムクラフトフェア工芸環境

まつもとクラフツハウス・ミュージアム構想はじめ

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

 Crafts House Museum in Matsumoto, an idea conception

日本中にクラフトフェアイベントを伝播した30年余りの活動実績は、地域に有益なものを育み、時代を動かし、人に適う。

1,500人もの応募があり、270余りのクラフト作家が出展する「工芸の五月」、関連イベントも大変な出来事です。「クラフトフェアまつもと」に応募・審査選考され出展できれば、新人若手の格付け実績にもなつてきていることをご存じでしょうか。来訪者数七万人以上、市内のホテル・旅館はいっぱいになり、中心街にひとが溢れ、経済波及効果18億と聞きます。

2016 年五月、クラフツフェア同時期に市内中心部商店街・路上でクラフトフリースポットを開催していました。別参加は、CFM同期出現として注目すべき現象です。「街中クラフツフェア」が始まり近づいてきたんでしょうか。素敵なことなのか、泡沫はみ出しなのかは、増殖するのか来年を注視します。

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会場前日と当日景観
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出展数の変化1985 – 2013
・1st.    1985  45組、65人
・2nd.   1986    80組、85人
・3rd.    1987    89
・5th.    1989    120
・7th.    1991    196  (ギャラリースペース設置)
・8th.    1992    219
・10th.  1994    194
・15th.  1999    216 (秀作多く、「クラフトフェアセレクション100 in 松本城」10月開催)
・16th.  2000    189 (ギャラリースペース+素材・道具・関連資料・図書展示販売)
・17th.  2001    232 + (食4)
・18th.  2002    258 +(食41)
・21th.  2005    283 +  (食12)
・25th.  2009    269 +  (食20)
・29th.  2013    269 +(食38)      s:手持ち資料集計
当日午前にはデパートのバイヤー、服飾研究家、コーディネーター、クラフト雑貨ショップオーナーたちプロが仕入れ、リサーチに入ります。工芸品コレクター、デザインや訓練学校生も多く見うけ、独自の服装出で立ちでクラフト関係と直ぐに判るのです。
昨年は、会場で海外からの来場者に「会場近くに両替がないか」と尋ねられて答えに困りました。国際観光都市でツーリストがお金を使えないのです。グループで来松、陶芸を数点購入、見識眼あり、技法・作品の質が高いと感想。これだけの人出に銀行も周りの商店もみんなお休み。商機を外部にもちさらわれているのに何もしない、のんきな四半世紀でした。
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1999年頃から、出展作品のレベルも上がり、参加者も増加。出会った運営スタッフにこれからの展望を話す機会に、フェアー開催を維持するためには、「クラフトハウス」設立が必要になっていることを痛感しました。以下、10年程前からのレポ・メモです。
・全国各地から応募して、多大な準備と費用をかけてやってくるのに2日でしまい。帰ってしまうのが惜しい。工房交流などもう少し滞在したいが、ボランティア寄宿やパブリックゲストハウスなどがない。
・持参した作品を置いてくれるようなショップが見つからない。
・毎年優れた作品があり、フェアー後にも展示や制作実演・販売出来るスペースがあれば有り難い。地元にも催事が増えいろいろなメリットがある。
・他圏からの見学訪問・観光客もふえてきたので、魅力スポットが増えリピートに繋がる。
・Crafts Awards 賞があると話題をあつめ、参加者のモチベが上がり、励みになる。
・作品展示・作り手の交流目的で開催されてきたので、商業・物販は副次的。お金は後から着いてきたのです。
・会場の公園は、旧制高校・大学教育施設跡地で周辺環境も最高の立地。「文教/研究地域」として注目されてきました。
・優れたクラフト作品は、実物を次世代への文化遺産として伝えたいが継続展示・収蔵スペースがないので短期イベントだけで終わってしまう。
・民間自主運営による人的交流や経済波及効果が極めて大きい。
・毎年行われている音楽イベントや観光松本市の基幹イメージを形成している。商店街各業態にプラス・相乗効果が出ている。
・松本芸術館、美術館、民芸館はあるが新しいカテゴリーの「クラフトミュージアム」がまだない。
・JIDAデザインミュージアムが、信州新町にオープン。「工芸美術館」が近隣にできると先行地本場としてお株をとられ、クラフトイニシアティブに影響する。
・長年、有志がボランティア活動で実施開催してきたが規模が大きくなり、今後、専従スタッフが使える施設がないと継続が難しい。
クラフトフェアは、NPOボランティアで現在会員の負担で運営。毎年、運営資金が足りず、スタッフは事務局・機材置き場、作業場所に大変苦労してきました。更なる展開・発展のためには、安定した拠点施設「Crafts House」が必要になってきています。

公園隣接地にクラフトハウス・ミュージアムが出来れば

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・「クラフトフェアまつもと」は、国内で最も歴史が長く、国際的にも評価されてきているので松本が最有力地、代表格
・音楽演劇・美術・工芸全てのカテゴリーで中心部にルートとなる文化施設の集積ができます
(パークサイドは、これから教育文化施設・ホテル立地として変貌していくと予想)
・展示・収蔵スペースがあれば、優秀作品のパブリックコレクションを始められる
・スタート時点から活躍してきた工芸作家が健在で作品・記録を集めるチャンス
・制作者の交流、作品紹介が目的で始まり、商業的営利行為は目立たないので独自のクリエイティブな性格を持続しうる
・準備ワークショップ作業、研修セミナーなどもでき、イベント実務を担う若手育成につながる
・近在のハイスクールとの教科体験・ワークシェア、バックアップも可能になる
・記録保存・クラフト資料の収蔵・専門図書の展示閲覧・活用が出来る
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・作家の紹介、企画展や内外の関連団体・機関と交流が拡がる
・クラフトフェアーと同時に出品秀作を購入しコレクション、収蔵ができます
・従来の松本の手作り・物づくりの伝統を継承・発展させるには、新しい人材・デザインセンスが不可欠
・市内には伝統工芸技術者が健在で後継ぎの育成も要請されているのでアクセス・情報発信拠点となる
・観光・教育、技能訓練、医療福祉とのリンク・結びつきをはかれる
・工業製品は、アジア・アフリカへの企業移転進行で産業が衰微するが、観光・教育、芸術、医療分野はこれからの有望分野。空港・高速インターからアクセスが改善されれば、ファッション産業芽生えも視野に入る
・工芸分野は、歴史・地勢的にも教育、訓練、養成の基盤があり、木工はじめクラフト志向の人が近在に多く、手作り、クラフトのメッカ的集積地域になってきた
・首都圏・中部・大阪圏へのアクセスがよく、アーテイスト・クリエイター制作活動の適地
田舎暮らし・住みたい移住地全国2位と評価も高い
・自然環境・作物にめぐまれ、観光スポットが多く、世界遺産指定が近い戦闘実戦型・木造歴史建造物等、コンビネーション効果が大きくなる
・観光・教育、技能訓練、医療福祉との政策リンク・製造業の結びつきをはかりやすい
・「クラフト」は、演劇、絵画・彫刻作品に比べてローコストであり、実生活と密着したモノつくりが有益
・原発50kmコンパスアウトエリアに位置し、日照時間長く、天災が少ないので企業立地として再注目されはじめている
さて、長期に渡りクラフトフェアー出展作品を記録・収集してきましたので、折々に、クラフトミュージアム収蔵・展示品候補に挙げたい優品を掲載したいと思います。クラフトフェア参加から成長し活躍している作家の追跡もまだ手つかず。30年という節目。総合的な視点で地域社会・産業経済、芸術文化発展のためにアートクラフトショップをはじめ、行政・経済界が動くタイミングと思料します。既に、優れた作品を先行購入し、ストック・記録を作成しています。
*2013年 日本各地でのクラフトフェアー・類似イベント数は、約350件ほど
*「Craftsは、次世代へ手渡す文化遺産です。」UNESCO レポートより

工芸・クラフトの街ならば、「クラフトハウスミュージアム」があるはず

Blog提案から一年経ち、構想を具体化するアクションを起こしていきます。コレクション・記録資料がどのくらいあるのか。ロケーション、展示収蔵作品を集める労力と時間・スペース、費用、プログラム、運営マネージメント、人材等、フィージビリティスタディ・手法から入るより、楽しそうな望ましい姿を先にイメージして足し算式で近づいていきます。スタート準備先行役は、クレジットフェイスが条件になります。20150203 ABE
①毎年の展示出展記録を継続して作成
②優れた作品を当日に直接購入し、秀作をコレクション
③工芸に関する図書・文献を収集 クラフツライブラリー
④制作技能にかんする資料を揃える
⑤組織運営や機能を学び、活動費用創出手段を工夫
⑥制作者の創作活動・実績を追尾、工房現場を訪ねる
等、出来ることから手を染めて行きます。20160529ABE
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2016年五月クラフトストリート・フリーステージが現れる 20160527ABE
構想を肉付けできる才能・資質はどのような人物なのか、推進する中核となる役割も見定めたいと思います。
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入山辺から望むアルプスと山麓20151212ABE
http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/15826

© 2014, Kurayuki , Abe

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木の総合学研究2014 – 2019 「木のクラフトハウス・ミュージアム」「工芸」「来樂富途」「クラフトシティ街中どこでもクラフトステージ」「日本クラフツムーブメント」

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