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樹体の芯央年輪を美しく造り変える目詰み真樺350 yrs. 柾目を途中でバイヤス板目化する動的平衡・変身連続技シームレス|The transformation of fine and vigorous corewood into cross-grain of stock_ MAKABA BIRCH aged 350yrs.|芯材元木は、自重に耐えるように基礎構造をジワリ強化変形します。 木の内科- 116
200−300年ほどの大木に肥大成長すると、風雨雪・自重に耐えながら幹の内部構造を変え、幹に斜目バイヤスを生成します。木理は揺らぎ、まるでシンバリを入れるように…
上体の重さに耐えながら応力変形をおこし負荷を和らげるバイヤスが顕れ、途中で柾目が板目木理へ変化_立木は倒れまいと元木株を強化し、緻密な年輪は美しく、材色も濃密になり、元木樹体内で斜目を造り出し、動的平衡に到ります。
環境に適応しながら、しっかり活き続けているのです。この高樹齢木の目詰みの動き・成ナオりは、観たことはないでしょう。
コンテンツ:
① 柾目途中から板目に造り変える_元木芯央に顕れるバイヤス斜目木理
② 肥大成長・年輪層の変形揺らぎ・拈り絞り
③ 入節元への抗体供給・木理のくねり_「屈性」と元木の木理変形・逆方向について
④ 真樺の樹性・物性評価ダイアグラム
⑤ 樺の木 史料
⑥ 柾目木理の板目化類例_栗大径木・中杢厚板の工房制作
⑦ 関連コンテンツ
柾目から板目へ途中変身
❶ 柾目途中から板目に造り変える_元木芯央に顕れるバイヤス斜目木理
平衡した柾目が途中から斜め半板目に変わると、シームレス幅矧ぎしているように見えます。
「柾目変身板目中杢」とでも呼べる350年生高樹齢木_中杢の秘かな変身・潜性です。
芯央には。自重に枝振り風圧で複合した応力がかかり、拈り変形を起こして屈曲がおきます。斜目バイヤスは、負荷に応じて自ら年輪構造を強くする動きが樹体内部に顕れ、自ら年輪構造を強くする動きが樹体内部に顕れています。
上体の重みが懸かり、押しつぶれないように拮抗する45°ー30°の斜方に出来、繊維組織には剪断応力が作用しています。柾目が半割板目状に動いてバイヤスが起こり、木理の美しさは構造を造り変えて長い時間で生まれるものでした。
肥大成長がゆっくりで、目には静的に見えますが、樹性の生命活動オーダーは人間の感覚では測れず、芯央の年輪木理が動かないものと誤認し、今まで気がつかないままでした。
❷ 肥大成長・年輪層の変形揺らぎ・拈り絞り
❸ 入節元への抗体供給・木理のくねり_「屈性」と元木の木理変形・逆方向について
高樹齢大木では、上体の重みをやわらげ、枝ぶれ拈りに耐え、応力を緩衝する働きでS字状の捩れが顕れます。
明治8年1876 以来、ドイツをお手本にした林学・木材学教科では、「芯材赤身は活動を止め、あるいは死んだ組織」と教えてきました。
実際は、全く違う。広葉樹の抗体分泌中枢は、株下根元深奥部にあり、上層枝へ揚出し、根系へ供給するとともに、芯央材色を拡げます。治癒・抗菌力を発揮する旺盛なバイタルです。針葉樹体構造は、圧縮「アテ」組織で自重・揺らぎ応力に対抗し、風雪に耐えます。 つぶれず、倒れまいとして、割裂する部分が出ています。(針葉樹・広葉樹抗体の違いは、別稿に記載しました。)
広葉樹では、外力による引っ張り・圧縮応力に対抗し倒れまいとして構造を変化させ、斜方筋違い状の木理と捩れ縮んだ「アテ」を形成するものがあります。
「屈性」と元木の木理変形・逆方向について
外部から加わった刺激に対して成長方向に変化が起こる_植物の屈地性 「Geotropism」生体形成の調節作用(homeostasis)_平衡作用で上方へ伸長していく」という論述があります。
「生体の塲の特性」p.20 末広恭雄 1970 石崎書店
つぶれないように起きる屈曲は、この樹体自身が造り変える下向きの応力変形では、圧縮力に耐えるように細胞組織が適応して斜目の樹体変造 Bodey-formationが起こり、株・基底部も成長変化を遂げます。重力に対して曲進成長するだけでなく、自重・内部応力を和らげる「曲がりくねり」が大径・高齢木に顕れています。
伐り下げた株元・根元までは、まだ未知の領域です。
❹ 真樺の樹性・物性評価ダイアグラム
・協力:画像制作 ROUND 丸山聡子
❺ 樺の木 史料
具木名 喬木類 「樺」
室町時代1648年 筆記本「新撰類聚往来」108樹種を記載
和漢三才圖繪 巻第八十三 喬木類 (江戸後期 正徳二年1712 編纂版本)
樹皮を巻いて燭燈明とする記述あり_外皮の蠟成分には、抗菌・ウイルス耐性があり、白樺樹液の解説や若葉の浄肺・保健衛生効果なども明らかになりました。樺外皮は燃焼すると蠟分が黒炎をあげ、火力が強く着火材にします。
真樺樹皮
❻ 柾目木理の板目化類例_栗大径木・中杢厚板の工房制作
柾目からバイヤス板目に造り変える芯央中杢 _ 柾目・板目混成材質は美しく見事な手鉋削り仕上げ。途中で変成する不思議な木理は、コモンセンスを越える観たことがないものでした。
栗の木200年の芯央にもトランスフォーム木理が拮抗し帯状に顕れます。
栗巨木デスクの天板制作:工房悠 杉山裕次郎2019
栗 鏡板 中杢 門扉伴木
❼ 関連コンテンツ:
・真樺ウダイカンバ優良樹の害傷自己治癒・伐採樹体内反応を診る Insight 木の内科−7
http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/5527
・樺の木 樹皮はがし「クラフト・エコ・メディカル」マテリアル Birch Tree and Wood 木録
http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/5377
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木の総合学研究 2024 「真樺ウダイカンバの芯央組織造り変え」「柾目を板目に変え、拈り変形しながら構造強度を補完する元木株」