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日本固有の強木最有用材「栂ツガの木」見えなかった抗体の香気分泌・抗菌防御力、樹性・優れた物性をあきらかに|TSUGA one of the most useful wood, unknown internal secretion of antiblastics and tree nature. It was a disaster, Ms. Fragrant Tsuga tree over a thousand years. in Japan. |膨大な天然林を千年以上もバッサリ_とうとう針葉樹香木類はお終い。 木の内科 -123
針葉樹香木類 の自然材を最近みかけません。この森林国日本では、古代から伐りまくり、樅栂続千年のトホホ受難でした。無くなるまでただ使い果たしたようです。
樅栂材は、建築から家具・器材・車輛、船舶・梱包・樽容器・パルプになる汎用商材_日本の近代工業化や戦争復興に費やされ、膨大な天然林蓄積はほとんど無くなり、稀少木材となりました。
冬目年輪肥大が旺盛で、艶・微香・芯央に紅色あり、耐水濕・剛直の優れた材質です。
水湿に耐え、ふんだんにあり、柱材には長尺靱性の強木で優れた性質は構造材として重宝で古代から木材利用が続きました。逞しい生命力や抗菌耐性・構造強度、内部変化も未知のままで有り難みを感じてきませんでした。「栂」の字は、専門職も読めず書けない和字の一つ。樅栂・松類・檜科を識別できないだけで無く、見たこともないレアー国産材になりました。
微芳香・艶あり_高樹齢木芯央の美質、直ぐには見えない入節からの抗体養分も取り込み、大木の元木芯央部の木理造り変え、生命維持の要所、固有の材質感を明らかにします。
本稿のコンテンツ:
① 栂大径木 中杢・元木元口の年輪造り変え
②「入節元」にできるバルブ細胞
③ 腐朽菌を防御する抗体バリア
④ 「端節ハブシ」による抗体の増幅 ・中間分泌 _冬目波動
⑤ 栂の枝葉・球果・翼果
⑥ 史料 具木名 栂(戦木ツヨキ)・香木類「栂」和漢三才圖繪
⑦ ツガ・トガ 樹名方言
⑧ 栂柱継手 松本城の栂普請
⑨ 栂の木 樹性・物性評価チャートダイアグラム
⑩「信州産のもみ・つが材」資料
栂大木の木理・要部
❶ 栂大径木 中杢・元木元口の年輪造り変え
大径木の自重で圧縮応力が増大すると、元木芯央は過重を緩和するために年輪層が収縮捩れS字形になり造り変えを起こします。芯央部赤身は、活動をやめた、あるいは死んだ組織であると「木材学」教科では教えますが、そんなことはないよ。実際は樹齢を重ねても生命維持をつづけており、バイタル木理は動きます。
200年− 250年ほどの大径木に起きている自重による圧縮、捩れ歪み応力による内部変改_倒れまいとしてS字曲がり・年輪幅の縮みが顕れています。
❷「入節元」にできるバルブ細胞
❸ 腐朽菌を防御する抗体バリア
❹「端節ハブシ」による抗体の増幅 ・中間分泌_冬目波動
端節は、中間にできる複雑な抗体生成分泌器官です。色素発現部分が層状に複合した高等合成プラントにみえますが、どうでしょう。
「栂ツガ」の木の内部は、旺盛な生命維持の動きを具に見ることができ、入節元の養分抗体取り込みを調整しているバルブ細胞から出る冬目の肥大成長が目立ちます。
❺ 栂の枝葉・球果・翼果(安曇野)
❻ 史料 具木名 栂(戦木ツヨキ)・香木類「栂」和漢三才圖繪
新撰類聚往来 中巻 「戦木ツヨキ 」 針葉樹材類を当てはめていくと該当するものが残ります。栂の古名と見えます。
和漢三才圖繪 巻八十二 香木類 栂
良木 水湿耐性アリ
日向宮崎産が最良質とされ、次に土佐産出材は芯材には赤・微香あり「椹栂」トガサワラは、材色赤身があり別種に扱います。木曽地方材は、幕府直轄の未開でしょうか。
「ツガ」の樹名は、葉が互生継ぎ合う形から長短対になる_次々つなぐイメージからの形容とする適切な解説があります。
深津 正 (照明文化研究会主宰)「木の名の由来」深津 正著 /木の大学講座 1988年 第 3期 『「木」とあかり』講師
❼ ツガ・トガ 樹名方言
各地に植生があり、九州・四国・近畿関西圏 中部・長野から秋田まで拡がり
つが だけもみ つがもみ べべのき とがまつ とがのき やにまつ やはず 等 16 事例 「日本植物方言集成」
❽ 栂柱継手 松本城の栂普請
栂柱の継手_松本城天守・柱組内構(400年以上前の柱継ぎ構造材)ジョイント実測記録をまとめており、堂宮大工の師事相伝を明らかにします。
柱穴あけボルト締めは、絶対にやってはイケマセン。国宝は手遅れ、継手損壊ぶちこわし_誰も気がつかないまま。しばらくは、樹齢250-200年の地物大径木による雛形制作方を順處します。
❾ 栂の木 樹性・物性評価チャートダイアグラム
❿「信州産のもみ・つが材」
長野營林局利用普及_商材資料配付小冊子
生育地は広く、天然林が潤沢でした。
実物突き板貼り見本は画期的なもので、地元木曽には経木製造業や履物加工が栄えていました。無味・無臭とされ、木香の微芳香という記述はありません。用途は広く加工し易く艶あり、耐久性が高い材質として評価されています。
印刷 125mm z 182mm p.17 紐綴じ・上質紙3色刷り 長野營林局木曽福島町 昭和27年 1952 発行
つが・こめつが もみ・うらじろもみ(経木)及び パルプ材実物サンプル張り付け
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木の総合学研究 2024 「栂の抗体・抗菌材質」「信州のもみ・つが材資料」