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木の大学特別講座2020 天然抗菌成分を放散する孟宗竹・新月伐りの伝承| 十月の新月の日に伐ると割れ縮まず、虫がつかない。|Co2吸収_分解光合成、酸素放出が多く、驚異の成長スピード。抗菌力のある凄い再生循環資源|闇夜の日の竹取り物語 まばら参観参勤フィールドワーク+竹のベスト専門書- 続

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

今年の孟宗竹新月伐りは、あいにくの雨降りになりました。木樵は、雨降りに森に入りませんが、竹取りの翁は雨でも伐り出します。この適期を外すと「竹とび虫喰い」や黴つきフケが発生、用意した良質材料が使えなくなり仕事に大きく響きます。

竹林は、水素イオン、酸素濃度が高く、空気が清々しい。竹には抗菌性があり、軽量で強度が高く、衛生的な天然循環素材ですが「二酸化炭素吸収、酸素放出が普通の植物よりも35%、40%高い」という最近のネット記事もありました。成長速度が速く、張り巡らせた地下茎で再生循環する竹には、凄いチカラがありそうです。

Co2吸収分解光合成、地表土壌環境の保持、資源利用循環の生存基盤としての重要な働きを強調したいと思います。

新月闇夜の日の竹取り 里山急斜面での竹伐り作業

急斜面での竹根元伐りは逆八突っ込み・ツル切り

40°の急斜面では根元が湾曲し節間隔は狭く圧縮されて肉厚が太くなります。ガレ場では石混じり、根元掘削を最小限に伐るのは手鋸では大変です。木のように伐倒・寝かせたり、斜面に倒せないので手で引き上げてズラシ元玉、二番玉を切ります。

「竹と暮らす」竹のカトラリー制作・沖原沙耶さんの使う孟宗竹は、造形的にユニークな作風を生み出せる根元曲がり部を尊重して伐ります。

 

伐り口が地上に残ると腐りが長びき、地下茎にダメージを与えるので、根元基低部「すれすれ伐り」が竹の養分を他へ回し、再生若返りにもよいと思われます。

果樹などは故意に傷や枝落としをして「成木責め」をしますが、活動の鈍った古いものを伐ることで若い竹に入れ替える効果があります。地上の節間で伐ると中空部に水や落葉が溜まり、林内に突き出て残り、竹の林床は伐り置いても素速く分解されず、長期間腐朽しにくいのです。竹は伐れば、ぐんと若返ります。受創ダメージが生命維持や治癒のバイタルスイッチを入れるのです。

継続した間引き伐り後

手入れしない孟宗竹林

竹林は伐らないと若返りが出来ない

人が入らず放置された竹林は、古い株が枯れて倒れ、荒れてしまいます。こうなると、地表がふさがれ、筍が出られず若竹が生育出来ません。伐れば、地下茎全体に生命維持再生が動き出し、新陳代謝をおこします。既に数年間継続して4-5年生のものを伐っていますので、直ぐに空いた塲所に筍が出てきて太い若竹が目立つようになりました。

 

新月伐りの道具 最新のカービングソーを併用

 孟宗竹・真竹の牡牝識別 節から枝が一本は、オス竹 / 二本は、メス竹

 

雨降りに霧がかかる竹林に踏み込むと明らかに空気感が違う

2018年 新月は晴れの日でした。

竹林に侵入する針葉樹は、真っ直ぐ肥大成長する伴立ちが目につきます。樅・檜・杉が大木になります。

竹は、単相純林になりますが、ギャップができるとそこへ針葉樹が入り大きく伸びる。菌類が繁殖しにくい土壌では樹木にとって安全な塲所のようです。この孟宗竹林は南急斜面で水捌けもよく、強風が直撃しない谷間にあります。

竹の地下茎下に根張りして養分を十分に吸収し、下枝を落としながら竹の葉上に伸び、枝下は長い。茂った葉が雨傘になり、風を和らげますから幼木には初期成長が保護されているようにも見えます。

また、竹林縁にある漆は大木になり、桐は幹肌が緻密な「縮緬」になりますが、竹の林相が虫喰い風雨のダメージを軽減し、表皮を綺麗にしていることも確か。この樅・檜杉樹幹から気がつきました。

地表林床は、竹枯れ葉で覆われて腐りにくく、下層に草木が入りこめないので林立が見透せます。二酸化炭素吸収分解、酸素放出量が多く、水素イオンや抗菌微細放散成分も空気を清浄にしているのがわかります。

晴れの新月竹伐りと雨降りの違いもわかり、得がたい「竹の時間」となりました。

 

 新月伐り孟宗竹  2018_2019_ 2020

「虫喰いが少ない」「材質が良い」古代からの伝承 地表の生き物は全て月暦の影響を受けます。

古からの伝承は、竹工人が経験してきた自然の不思議な営みですが、地球の反対側から月の引力がダブルでかかかり、水を上げない。ミクロの細胞レベルで微細な変化がおきていると推察。秋の新月の頃は気温がさがり、虫たちは冬ごもりで動かなく時期ですから、繁殖はしない。すでに入り込んだ成虫は産卵して動きます。2018 年新月伐り材でも一本だけ虫喰いを確認しています。科学的には解明されていないので竹に聞いてみるのが一番です。

竹トビ虫が入るとボロボロ拡がり全滅します。

こうして、雨ふりの中、竹のカトラリー制作材料一年分を数時間で伐り出しました。今年は、雨降りに手許強腕二人が加わり安全作業が出来、助かりました。現場でないと知り得ないことが多く、表皮の保護分泌、抗体物質、付着物など竹の生命維持力は微細放散成分なども未知の領域です。

強靱な竹構造は節で締まり、傾斜組織で揺れに耐抗できる見事な天然のパイプです。「竹を割ったような性格」とは、歪みのない真っ直ぐな人物を表しますが、竹を扱う専門職も実直な優れた人が多いと感じます。無理や誤魔化しが出来ない素材だからでしょうか?

翌日は秋日和

共同作業:「竹と暮らす」沖原沙耶

協力:上田鍛造工房 上田裕之 工房悠 杉山裕次郎 マキノウッドワークス 牧野泰之

参考専門図書

竹工芸の資料−2

「木竹材ノ工藝的利用要覧」  山林彙報八月號附録 1919年 大正八年九月  農商務省山林局発行

「もうそうちく」

ⓒ2020 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2020  「孟宗竹の新月闇夜の日の伐採」「新月の竹取り物語 作業現場記録」

 

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