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災難でしたねアサダ・セイエカパラ殻薄さん-3_粗雑な使い方をされ、伐りつくされた150年。人体乳腺腫瘍と似ている樹瘤のバイタルサイン「樹体告知」|Vivid vital signs in the mammmogenic burl _ An effective material treatment of the long natural seasoning. The comprehensive evaluation diagram of bio-activity,physical properties and aesthetic sensitivities. |有用材の物性・美質に関する評価ダイアグラム  Insight 木の内科 – 100 続々

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

木の内科的視点では、存立する仕組みや生命維持機能の細部に人体との共通点や構造的な相似律を見出しました。目をひんむく「樹体告知」です。

前稿から続きます。

❼ あさだ 紅・瘤コブ_リアルな樹癌の細胞ブレーク、抗体発出・分泌

解剖組織として診ると、人体の肌肉色に近い紅褐色です。患部要所に増殖を抑える複数の分泌組織が現れていますが、枝元・入節周縁に出る抗体発出の「内分泌核房」(仮称)と同じ様態です。

枝元から起きた異変が激しく拡がり、離れた部位へ転移していますが、針葉樹では枝元から抗体を取り込み芯央へ分泌・吸収され、菌類が付着しても抗体が回り、冬目を形成するレイヤーで封止されます。抗体の送り込みが逆で、防御機序キジョが異なります。

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瘤の反対側入節の治癒「埋め塞ぎ・抗体バリア」生物活性が旺盛で材色は濃厚

白太辺材の木喰い虫には無頓着なまま

❽ マテリアルトリートメント・木口黴止め・自然乾燥・養生・熟成_材質感・濡れ色

柿渋塗布は、内部のイレギュラーな変色やダメージ部分を診る呈色反応と黴止め効果があります。鉱物油をしみこませ、軽く拭きこする程度の処置をすると青黴は逃げます。

木口乾燥後、元末や芯央の割れ止めをして桟木積み、長期間の養生・熟成をしています。樹脂が高分子化して色艶が向上する富貴化も起き、落ち着いた材質が得られ、職人の世界では「養生し寝かせる」と言います。「木味」がよくなるのです。

 

気乾平衡含水率は、約16年で13%程度に下がりました。

 

塗装濡れ色比較_自然乾燥痩せ

❾ 樹木名考 「あさだ・セイエカパラ」

アイヌ語では、「セイエカパラ=殻薄い」_ 樹の皮ではなく「殻」。割裂して鎧帷子カタビラ「ピッタシです、本稿では、「あさだ・セイエカパラ」にしました。

1986年9月26日 平取町二風谷でアイヌ民族資料館 館長 萱野 茂さんから、アイヌと樹木の関わり、シウリ・アサダ等の樹種について多くのご教示をうけました。同年、11月 20 日のアチックホーラム講義・民映研通信に記載されたアイヌ語録と同じ内容です。萱野さんは、この樹名には特別なエピソードがあるように強調して語っておられました。

あさだ(カバノ木科)の方言には、あさざ・あかだ・あずさ・おにしで・そね・ハネカワ等36事例があります。近畿・中国_東海中部地方、東北・北海道が生育地ですが、現在ではみかけなくなりました。その樹木の特長をすぐに覚え、想起し易い名称がつけられてきましたが、カンバ・シデ・アズサなどの異名は、樹皮が薄い → 浅い語感は、重く堅木のイメージを引いています。

[ asada ]は、三音節 a母音が繋がり、[セイエカパラ Sei e kapar]は、音節が  [ i・e・a・aa  ]  跳ね剥がれる音韻_カバ(kaba)の木科ですから、言葉の属性は音素クオリアが同じですね。

他の樹木名_ 檜 NINOKI    桜 SAKURA   水目 MIZUME    桂 KATURA   櫟 KUNUGI等 の音節母音に比べると異質で、ある時期に商材として命名されたもの、もしくは、アイヌ語「カパラ」の転訛ではないかと考えます。「樹木方言集」では、36事例が記載されています。

樹木名が並ぶ平安末期筆記本「新撰類聚往来「具木名」に記載は無く、江戸後期の「和漢三才図彙」巻第八十二「喬木類」にも見当たりません。

明治45年 農務省山林局による木材ノ工藝的利用調査書に数行「あさだ=棍棒・アレイ・靴型材として、すべて北海道産出」と記載があり、開拓地伐採材の官用調達だったことが浮かび上がります。ぶっ叩く「棍棒」は、現在では「警棒・警杖」と呼ばれています。

アイヌ地籍の森林から伐り出されて棍棒や靴型用材にされ、木材市場に広く出回る商材ではなかった。堅木良材が潤沢にある時代に、堅く重い材は家具用材にならず、評価が低く、専門的知見も極めて少ないという実情も少し見えてきました。

❿ 國政流 変形枘・逆枘組手雛型の制作

國政流変形枘・逆枘の雛形制作には、主に堅くしっかりしているアサダ材を選びました。通常の家具には重いのですが、型ものや器具材には耐久性があり、崩れず、端整で見栄えも良く好適です。

⓫ 生命維持力・樹性_物性・美質評価ダイアグラム

この樹木は、周到な生命維持機能を発揮し、抗菌・抗体防御、修復治癒も完璧です。美質・物性からも、好感度の材質であることが読み取れます。木香は、わずかに嗅げる程度ですが、微細放散や薬理成分は、これから明らかになります。

あさだ 別稿 木の内科-100  ・続

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木の総合学研究 2023    「あさだ樹木名考」「 國政流 変形枘・逆枘組手雛型制作」「 セイエカパラ_存立生命維持力・樹性  及び、物性・美質評価ダイアグラム」

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