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世界最上質の合砥・山城國葛野郡梅ヶ畑村_押し上げられた岩盤の埋蔵堆積層マッピング| The mining map of AWASEDO in Kyoto by Nagahara Masanori 1998 . |日本砥石調査会 長原政則の研究レポ上書き ハンドツールジャパン-66
研ぎ味、刃付き、研ぎ肌、石の美しさ、微粒度、硬質が極めて優れている合砥は、プレートに押し上げられた帯状の堆積層鉱脈に現れ、鎌倉・室町時代から山城國梅ヶ畑村域で採掘されてきました。品位は、逸品極上ものばかり。
前稿に続き、現在の製砥残存品からチャート堆積層を照合し、地図上に置き、採掘地グループ_砥石層・顔ツラの可視化を試みます。
コンテンツ:
①「砥石層の成り(ナオリ)」産出状況
②「極上一本撰り」と「木っ端」
③「砥石は、水で蘇る」
④ 添付資料「砥石の話し」砥石になる岩石砥石 その2「合砥」
⑤ 日本砥石調査会 長原政則の活動と削ろう会参画
⑥ 関連コンテンツ
❶「砥石層の 成り(ナオリ)」産出状況
合砥の鉱山は、梅ガ畑から北西に丹波へと約50kmの間に顔を出しています。折れ曲がって押し上げられた地層ですから、山の中腹から上のほうに飛びとびに発見され、採掘されてきました。堆積の仕方によりグループ分けされます。ママ( 下記資料に記載_砥石になる岩石 その2 削ろう会報 Vol.5 ) 「本モト口成り」のチャート堆積層 5.4m ~6.3m /層厚み 仕切り板 各砥層は 3cm-2cm 製砥
❷「極上一本撰り」と「木っ端」
鳴瀧・中山砥系 木っ端
❸「砥石は、水で蘇る」
この合砥産出地図みると、大きな池が浮かびあがり、奥殿川流域の水脈が見えてきます。 渓谷が大きく折れ曲がる辺りで地殻変動による押し上げられてくねり、蓮華・奥殿の産出地点や隣接紅山、菖蒲谷へと鉱脈が連なりました。
山麓里下り方向に大きな池が離れて所在し、水脈の繋がりが浮かびます。他の戸石採掘鉱口は、谷沿いに多くありました。水研ぎにより、研磨力は高まり、研ぎ終われば水中保存するもの_極微細砥粒は、刃先の研磨力・切れ味が別格ナノです。
砥石表面「顔ツラ」はシットリして、堆積層の岩石に閉じ込められている水は、風化しながら放出され、木材と同じように切削すると「結合水」の動きが現れると考えています。 2.5 -2μmの砥粒は、刃物を引いてみると人造では不可能な超微細組成_数万年圧縮、変成積層の極めつきです。
❹ 添付資料「砥石の話し」 砥石になる岩石砥石 その2「合砥」1998 長原政則
削ろう会 第一回・第二回 「砥石の話し」講義 資料 削ろう会会報 Vol.5 p.10 – p,14
作成されたこの合砥産出地名には、本鳴瀧・菖蒲谷ものは含まれず、高価なため良いサンプルが揃わないと思料します。また、品位により、標準サンプルになるものはかなり値段も高いので、名品・逸品、極上・一本撰りを照合したり、隣接系統を明らかにできると、古都の地層が耀いてきます。宝石に近い砥石コレクターは多いのです。
合砥は、本格的な調査研究や銘柄別の標準サンプルがないままでした。製砥最上品や逸品の蒐集保存は続き、実用になる規格、上物別撰はなくなり、残った端物もネット上で売り出されてきました。
刃物研磨・砥石調査研究者が現れたのが最近した。砥裏の残り削りから隣接層を照合して並べて飛びとび鉱脈の様子をつきとめることができます。並べると、雅びを放つ錦彩岩でした。採掘現場では、宝石を掘り当てる感動を味わい、歓声とゴールドストーン稼ぎの光景が浮かびます。坑道採砥シーンは、鉱脈を描きました。製砥された実物サンプルは、銘柄になった堆積層の一部です。
リアルな堆積層の連続写真や採掘現場の手許来歴を追える資料がなく、調査研究は高額商材で、おいそれと集めるのも大変です。採掘製砥の商いは、業界の諸事情や歴史的経緯もあり、史実を書き留めることも伝聞や断片を発掘するような作業になります。
❺ 日本砥石調査会 長原政則の活動と削ろう会参画
現役の鉋制作・刃物研磨・砥石調査研究者が一堂に会して削り専門知識を結集しようとしたのが 1998 年_「削ろう会」のはじまりでした。後に、鍛造鍛冶職が参加し、刃物談義、研ぎ削りの実際演技も関心を集め、はじめは、鉋研究者・専門技能職(大工・木工職)、中学校技能科教諭が参集し、鍛冶職や建築技能、訓練学校関係者、道具販売が増えます。本職ベテランと若手新米が交流できる塲所となりました。
現場で実際に仕事をする職人と鍛造刃物制作職・調査研究者が集まり、技能交流することは、飛鳥時代の律令制度「木工寮」以来の歴史的な出来事です。
小職は、第三回まで参画しましたが、運営主役の一人靑山鉋店青山駿一氏の参与が引いてから、当初の高度な専門性志向が消え、薄削りコンテストへと変わり、注文がこない鉋刃鍛冶、藤四郎さんが寄りつきました。靑山鉋店靑山駿一は、薄削りに傾斜するのを危惧して手を引いたのです。
プロダクトマッピング 産出品の地図上書き
日本砥石調査研究は、地球数億年のプレートテクトロニクス、丹波帶の変成・堆積岩のナチュラルヒストリー自然誌を読み解く壮大な学域です。 長原さんの急逝で途絶えていますので、後継が現れるまで関係資料を伝えます。ご覧頂いた合砥画像は、美しい見事な地球アート自然誌遺産です。
長い時間を経て到達したものは、人知を越えて元より地界に拡がっていたことに気がつきました。古都周縁の水質が優れているので、染色工藝、織り物、豆腐造りや醸造も発展しました。土・木・鉱物は、高質の天然素材が揃っていたのです。更に、堆積層チャートの細密メッシュ、それぞれの硬度を並べる作業が残ります。
❻ 関連コンテンツ:
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■ 1㎜ が1000年の砥石品位 _ 世界最高の刃物研ぎ技術を生み出した天然砥石の特産地丹波帶|2億年以上の火山降灰堆積・変性が繰り返され地球プレートテクトロニクスが造り上げた京都岩盤砥石層|地上の雅びは、見えない地界の華やぎの上にあり、合砥 (あわせど)の美質、その雅致貴富に料紙意匠の趣向とルーツをみる|刃物研磨力は最高、京都特産天然の極上ズラリ_日本砥石考 ハンドツールジャパン− 33 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/28225
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木の総合学研究 2024 「合砥採掘地マッピング」「砥石になる岩石層鉱脈の成ナオりは、水脈に現れる」「地球プレートテクトロニクス二億年の変成、押し上げられ三万年のチャート堆積層の鉱脈彩岩を照合できる削り残標本」「合砥標準サンプルの撰別・揃え」