「木識・木学」メディカルウッド体の自然を取り戻そう日本の自然色木の内科木香生命構造と機能自然の造形薬用樹木

「樹」と「木材」の間に_Zwischen Bäume und Holz_Der Verwandelte Interne|Between Tree and Wood _The Transforming Internal |侵蝕・損傷・ストレスをうけ変貌する樹体の内部|見えない_知られざる樹性の華やぎを明らかに _針葉樹と広葉樹の生命維持構造の対照的な違い_葉形・枝ぶり・抗体発出・分泌・治癒の異質・逆の樹性」木の内科 -90 続々+

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

 先に地上に現れた針葉樹は、生命維持の重要組織は、地上高く枝元にあり、細く針状の葉はビッシリ全方位につけて太陽光を多く受けます。常緑で冬でも生長を続け、雨雪風圧をやりすごし、地面から高く、枝元裏側に重要な組織を配置するのは、氷河期を生き残れる環境に適応した構造。分散拠点の制御_養分・抗体を枝元から吸収して、芯央から基底部へ降り下げます。

 後から地上に広がった広葉樹は、地面に少し潜る位置に中枢組織を造ります。樹体全体をコントロールするために、肥大成長や防御・ダメージの治癒出動にも一括して対応できる効率的な進化した生命構造です。中枢制御は、抗体養分を底部から発出_上方へ揚出↗、系統だてて幹・枝先・根元末梢へ周ります。

 

❺ 針葉樹と広葉樹の生命維持重要組織の根幹的な違い_枝元分散制御と集中・中枢組織コントロール

Der grundlegende Unterschied zwischen den Lebenszentren von Nadelbäumen und Laubbäumen_Filialgebundene dezentralisierte_zentralisierte Kontrolle innerhalb des Bestands

/ The fundamental difference between the life-support centres of coniferous and broad-leaved trees_Branch bound_decentralised _ centralized control inside of stock.

養分や抗体の取り込みには、吸収調節バルブ細胞が現れて生体構造をバルブ細胞が司る仕組みを備えています。内部への流入量を調整する微細で重要なバイオ機能ですが、枝元の下側にあり気がつくのが遅れました。

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 ■針葉樹 檜・姫子松・柏槇の枝元入節とバルブ細胞

 

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天然檜と鬼胡桃 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/27209

■ 姫子松のバルブ細胞

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■柏槇のバルブ細胞

養分・抗体を吸収して幹・年輪層へ送り込まれる針葉樹の重要組織は、枝元・入節にバルブ細胞をつけて取り込み量を調整しており、枝斷面では径の下半に1-2ヶ所ほどついています。

■ 鬼胡桃の抗体発出・分泌源_中枢部の動き

広葉樹では、抗体を揚出_中継ぎする中間増幅体・副分泌組織が上層にできます。

幹上層枝分岐の中間増幅分泌組織「コマンド細胞」

 

■辛夷の中間増幅体

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■ 鰍楓の中間増幅体

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■黒檀の中間増幅体

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■欅の中間増幅体

 

櫟の抗体生成組織_発出・分泌源

抗体を合成して吸収する臓器のような複雑な細胞が取り巻く観たもとがない「オーガニック合成装置」です。

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針葉樹「檜」の枝元抗体発出・分泌ストック_分散制御

 

檜の抗菌防御_治癒 ジンワリ脂出・内皮再生

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■ネズミサシの傷塞ぎ_抗菌バリア・脂滲み出し

侵入腐朽菌阻止抗体バリア_樹皮のダメージを塞ぎ被覆

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 ■唐松の抗体分泌・取り込み

抗菌バリアや被覆したりする動きは見られず、欠損の縫合ではなく、内皮が再生して修復しています。

広葉樹「鬼胡桃」の株根元集中制御_中枢組織

鬼胡桃A 38yrs.  株元の中枢部_抗体の発出・分泌 伐採24時間後

 

鬼胡桃B 28yrs.    伐採一年後の中枢部

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 広葉樹と針葉樹の重要制御組織の違い

針葉樹は、枝元から樹体内に取り込み_抗体養分を降り下げ、株下根元付近には抗体は少なく、樹脂分が届いていません。広葉樹は、根元底中枢から上方へ送り出す逆の動きをしています。

針葉樹の一位・杉・檜では、幹上をバッサリ伐られると枝元からの抗体取り込みが減り、株根元に行き渡らずに芯央元口から腐朽菌が拡がります。

重要な生命維持機能が地上枝元あり、分散して配置される針葉樹体は、長い氷河期を越えてきました。凍土では根系のはたらきは弱まり、びっしりつけた細い針葉で太陽光を少しでも吸収でき、雨雪氷をはらい枝が垂れます。分散上層拠点での生命維持・修復・治癒の重要組織を配置すれば。生きながらえる。入節から取り込む養分・抗体は、冬目年輪層へ吸収されて年輪層を強固にしています。抗体は上層枝元から芯央へ入り下降していき渡りますが、基底部根元には蓄積は少なく、広葉樹と逆の動き_リスク分散型ですね。

頭をカットして高さを抑えると生長肥大が止まり、脇枝がでても養分は届かなくなり_元口芯央が腐りはじめて、空洞木となります。

広葉樹体の重要な生命維持・修復治癒は、株根元芯央に集中して配置され、中枢組織で一体で動いていますから、枝上まで抗体・養分を揚出するには、大気圧と根系からのポンプアップでは行き届かず、「中間増幅体」を造り供給し、枝分岐には更に伸びる枝への支給を調整分泌する「コマンド細胞」が付帯しています。

伐採されても、株・根元から蘖ヒコバエする広葉樹は、生命再生機能が地表近くにあり、養分の補給も続きます。喬木になると根元元口下からは届きませんから、中間にポンプアップする中継器官があるはずです。その様な役務をハッキリ観ることが至難でした。

以上の様々なバイタルサインを観ていきますと、菌類微生物、木喰い虫等のダメージや風雪圧、冷温高温・応力に耐えている複雑で多段階の生命構造の独自の動きや固有の性格が対照的なことが明らかになりました。

「葉」や「実」「樹皮」「材色」「耐性強度」の違いだけでなく、生命維持の本質的な違いは、出現して生長する過程で当時の環境に適合した機能や構造、樹性を物語ります。肥大成長や繁殖・寿命に影響をうけて現在の植性に到りました。

針葉樹と広葉樹は、葉や枝振り・樹形も対照的_逆の動きをする生命維持構造です。この「木の内科の研究コンテンツ」は、専門教科や学説にはない、未だ無い科目なのです。

「人新世、地球の迷惑一万年」_人間が地上に現れてから、伐られ削られ撃たれ焼かれて、樹木はサンザンでした。

以下、間を空けて、さらに続きます。

to be continued _ wird fortgesetzt

■木の内科- 90  連載コンテンツ

① http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/32927 

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木の総合学研究 2022  「樹木内部におこる生命維持・防御・治癒バイタルサインとその生命構造」「針葉樹と広葉樹の重要生命維持組織の配置_枝元 ・株元構造」

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