「木識・木学」日本の自然色木と人間の関わり木の内科生命構造と機能

針葉樹と広葉樹の分泌逆違い_枝元・吸収分泌と株元中枢から節元・端末への逆方向|The fundamental differences in secretion of the conifers and the broad-leaved trees, produced in-take valves and export terminals.|根本的に異なる生命維持の動きを明らかに。Insight 木の内科 -107

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

針葉樹は、枝元入節から芯央へ吸収され、バルブ細胞で分泌を調節し、広葉樹では、根元中枢部から抗体を作り出し、中間で増幅する端節ハブシや節元の端末で分泌しています。逆方向の生命維持の仕組みの違いを明らかに。

針葉樹は、枝元入節から芯央へ吸収され、バルブ細胞で分泌を調節_広葉樹では、根元中枢部から抗体を作り出し上部へ揚げ、中間で増幅する端節ハブシや節元の端末で分泌しています。

枝元入節から取り込むバルブ機能(Intake Valves)と根元中枢からの端末(Expot teminals)へ送る_上下逆方向の動きが対照的です。

葉形や実種・枝幹樹形だけで無く、根本的な生命維持の仕組みも異質であることが明らかになりました。節内に潜む微細なバルブ細胞の働きや、異形奇怪な根元中枢組織に支配される末梢の動きを観たことは無いでしょう。ミクロの高度な整序する代謝組織です。

針葉樹の入節イリフシバルブ細胞

檜科のバルブ細胞は、枝元節下に現れます。枝元には枝下がり_圧縮がかり芯央へ吸収される養分・抗体は、圧入放出されていく様子が鮮明です。

経路を診ると、枝元・入節の芯央より下方に配置されています。単独と並列、対向する部位の違いがあり、送り出し吸収オペレーションをしているので「枝節番」と名付けます。

 バルブ細胞は、枝元節下側に現れます。ゲートが長いものと短くいもの、単独・ツイン・複数配置があり、吸収分泌の調整をしています。伐った後に経時変化で鮮明な材色となり、吸収された冬目が際立ちます。バルブ細胞枝節番の周縁では、吸収取り込みに関与する芯央の濃淡に変動が読み取れます。

ネズミサシ

姫子松

ビャクシン ハクジ

広葉樹の端節ハブシ・端末分泌

オニグルミ

コシアブラ

トネリコの葉楓

鰍楓

まゆみ

生命維持の仕組みと構造の違いは、ダメージ治癒や抗菌力や材質の違いにもハッキリ顕れています。

 バルブ細胞、端節ハブシ・端末の前後内部の挙動は、材色の経時変化で判断できますが、生木をカットしても直ぐには材色変動は起きません。材色の淡黄・淡褐色、白木地のシーズニングは、数年を要します。

枝・節は生命維持の枢要な部分であり、樹性そのものですが、節無しを良材として扱い、節を欠点として嫌うことが続きました。入節には樹脂成分が蓄積し、木香成分を微細放散し続け、針葉樹では、枯れても入節が最後までバイタルサイン(生命兆候)を残します。

針葉樹と広葉樹では、葉・花・実、樹形、肥大成長・分泌、木の内科全てが対照的です。それぞれ、化石・遺体調査などから系統研究が行われ、進化の比較や変異の過程は未知の領域でした。

本稿で記載しましたコンテンツは、未だ専門学科では教えていないリアルでレアーな細部ですが、人間が木を伐り割り、木目を観たのが、およそ一万年前_ 100万年以上も存立し「木の時間」が経ち、ようやく気がついて可視化することができました。

さらに、自然林木の自力伐採では、現生種・広葉樹の変異、進化を察知する現在進行形のリアルサンプルも得ています。伐ってみたら、なんとお隣さんがミータントだったという驚愕_目をひんむく発見に遭遇し、「樹木比較進化論」に繋がる新たな扉が開きます。

以下、次稿に続きます。

■ 関連コンテンツ:

針葉樹と広葉樹では逆の抗体・材色の分泌_材質を造りだす生命維持の仕組みを究明|分泌源・取り込み・吸収_冬目年輪肥大に現れる上下逆方向|地表出現から200万年、見えない樹体内の異質の動きを明らかに   Insight 木の内科-77

http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/29870

■ 針葉樹  香木類

檜   HINOKI   木の内科 – 76  

 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/29768

ネズミサシ  NEZUMISAHI  木の内科 – 52   http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/26692

姫子松  HIMEKOMATSU 木の内科 – 71   http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/28874

こめ栂  KOMETSUGA 木の内科 – 94   http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/34465 

樅・栂  MOMI・TSUGA   木の内科 – 72   http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/28972

柏槇   BIYAKUSHIN  近日掲載予定

■ 広葉樹

コシアブラ   KOSHIABURA 木の内科 – 106   http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/36783 

オニグルミ ONIGURUMI 木の内科 – 63 – 81 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/27325

トネリコの葉楓  鰍楓  他 KJIKA KEDE  TONERIKONOHA KEDE  木の内科 – 81 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/32927

まゆみ  MYUMI 木の内科 – 82  

 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/31069

 

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木の総合学研究 2023  「針葉樹と広葉樹の分泌の根本的な違い_要所分散自律と中枢統括オペレーション、対照的な逆方向の分泌_生命維持根幹の仕組み」

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